09/26の日記

04:04
第五カルテット+α
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いやらしいことをしなければ出られない部屋、というのを見かけますが、私は第五人格で全ハンターから勝利しなければ出られない部屋に推し四人を閉じ込めたい。

というわけで、無駄話復活記念読み物は「全ハンターから勝利しなければ出られない部屋に入ってしまったカルテットとおまけの三人」です。

はい、私だけが楽しい。

メンバーはカルテットと仁王、左近、青騎士の三名を添えて。
ゲームをプレイするのはカルテットなのでカルテットだけでもいいんだけどカルテットだけにすると「まぁのんびりやればよくね?」ってだらだらしそうだったから。
あの四人、閉じ込められたところでどうってことないもの。早く出たいみたいな焦りがない。
というわけで巻き込まれたのが仁王、左近、青騎士。
この三人を置いておけば銀髪二人が面倒臭くなった梗子が早く外に出たくなる。
左近はまぁスパイスみたいなもの。


四人の使用キャラクター。(Blogからの転載)

梗子は呪術師。人格は左右。
梗子さんは基本的にゲームとかあんまりしないタイプなので上手くはない。
なのでトリオに進められてお手軽チェイサー呪術師を選んでる。

赤松は機械技師。人格は右下。
やたら器用なので本体パペット同時解読得意そう。
右下なので救助にも行ける。
探鉱者、調香師も使える。

Aはオフェンス、傭兵、空軍。人格は右下。
救助マン。解読よりも救助優先なので最終的に犠牲になりがち。
皆の脱出を願いながら「先に行くよ」っつってお空へと消えていく。

Bは占い師。人格は左右。
逃げ惑う占い師。
皆にオフェンスみたいな体格してるくせに占い師かよって言われる。
フクロウ誤タップ芸人。
そしてガバガバ天眼。
ピエロとレオを見間違うし夢魔女を見ると「なんだあれ」って言う。
踊り子も使える。オフェンスみたいな体格してるくせに。
オフェンスみたいな体格してるくせにオフェンスは使えない。


◆◆◆◆◆




 ある日、私は不思議な部屋に閉じ込められた。

「全ハンターから勝利しなければ出られません……」

 ……本当に、不思議な部屋だった。
 床と壁は真っ白で窓はない。
 扉がいくつかあったので開けてみれば、仮眠室や簡易キッチン、風呂、トイレ等が完備されていた。
 しかし外に出る扉はどこにもない。
 中央の広い部屋にはローテーブルがあり、そこに四つの端末が置いてある。
 そしてプロジェクターが設置されていて、ローテーブルの正面の壁には映像が映し出されるようになっていた。
 さらには椅子、ソファ、大小さまざまなクッションが置いてあったので寛ぎ放題らしい。
 閉じ込められたのは私、赤松、A、Bの四人。そして明らかに巻き込まれたであろう島さん、白い方、青い騎士さんの三人。
 ここから出る条件は、「第五人格」というゲームで「全ハンターから勝利」すること。
 そのゲームなら、以前Aに誘われてやったことがある。
 一対四の非対称型対戦ゲーム、だっけ?
 とにかくハンターと呼ばれる追う人一人に対してサバイバーと呼ばれる追われる人四人がかくれんぼ兼鬼ごっこのようなことをするゲームだった。
 フィールド内に数台の「暗号機」が設置されており、サバイバーが暗号機を五台解読すればゲートが解放出来てフィールドから脱出出来る。
 解読の途中でハンターに出くわし、二度殴られるとダウン。ダウンするとフィールド内のロケットチェアに座らされて時間内に救助されなければ空の彼方へと飛ばされてしまう。
 というのが基本的なルールだったはずだ。
 ハンターもサバイバーもキャラクターごとに使える能力があったり、人格といって……なんか色々とあるのだが、その辺は私も奴らに適当な説明を受けただけなので詳しくは知らない。
 とにかくこの不思議な部屋から出る条件が「全ハンターからの勝利」なので私たちはサバイバーでプレイしなければならない。
 そしてサバイバーの勝利条件は四人中三人が脱出することである。
 
「全ハンターかぁ」

 そう呟いたのは赤松だった。

「全ハンターって、何人いるの?」

「14人やな」

「うぇ」

 私の問いに答えたのはA。それを聞いて私はおおよそ可愛いとは言えない言葉を零したわけだ。
 全ハンターから勝利しなければならないことは分かったが、それをこの「第五人格」を知らないであろう三人にどう説明したらいいのだろうか。
 スマホもゲームも理解できるであろう白い方はまぁいいとして、他二人が居た世界や時代にスマホなんかなかったからなぁ。

「えーっと、皆さんは私たちがなんとかするまでこの部屋から出られません」

 私は島さんたちに向けて言う。

「キキョウ様がなんとか……俺に何かできることはないのでしょうか?」

 と、青い騎士さんは言うけれど、多分出来ることはないと思う。

「……まぁ、適当に寛いでおいてください」

 私がそう言うと、赤松たちが小さく笑う。

「説明しようという気すらあれへん」

 Bはそう言って笑うが、笑うくらいならお前が説明しろよって話だ。

「とりあえず1戦やってみよか」

 Aのその言葉で、私たち四人はローテーブルの上にあった端末を手に取った。
 ゲームを起動させると、同時にプロジェクターも作動し始めたらしく、壁に映像が出現する。
 それを見た島さんと青い騎士さんがぎょっとしていた。
 なんというか、驚かせてしまって申し訳ない。私のせいではないのだけれど。

「ハンターてランダムに出てくるんやろか?」

「どうやろな?」

 Aと赤松が首を傾げ合っている。

「マップはランダムみたいやな」

 そう言ったのはBだった。
 ちなみに私は無言で自分の使用キャラクターを選択している。

「梗子、出来るんか?」

「ん……んんんー……自信はあんまりないけども」

 赤松たちはこのゲーム得意みたいなので、私が頑張らなければ皆この部屋から出られない。
 しかし、私はゲームの類が基本的に苦手なのだ。

「キキョウ様、俺に何かできることがあれば遠慮なく」

「いや、マジでただただ寛いでてください。寝ててもいいですし、お菓子とかもあるみたいなんで適当に食べててくれれば」

「始まるで」

 青い騎士さんとしゃべってる間にゲームが始まってしまった。
 使用キャラクターは、私が呪術師、赤松が機械技師、Aがオフェンス、Bが占い師。
 マップは軍需工場のようだ。

「えー、ハンターは……芸者芸者」

 Bが言う。
 Bの使用キャラクター占い師は天眼というスキルでゲーム開始から数秒間ハンターのシルエットを見ることが出来る。

「小屋のほう行ってんで」

「私死んだ」

「いや早いわ」

 だって私小屋の近くに居るんだもん!
 物陰にしゃがんで隠れているものの、芸者のスキルは索敵に秀でていて簡単に見つかってしまう。

「心音がヤバい」

 ちなみにこの心音というのはハンターが近付いてくると自分の使用キャラクターの心臓がどきどきするのだ。
 ハンターが近ければ近いほど大きくどきどきする。

「フクロウ帰ってくるまで粘ってな」

 と、Bが言う。
 占い師はフクロウを連れていて、そのフクロウが一度だけ攻撃を防いでくれるのだ。
 しかしそのフクロウ、ゲーム開始時に味方全員の場所を見回りに行くのでゲーム開始直後は使えない。

「見つかったー!」

 うわぁぁ! と言いながら、私は逃げ惑う。
 私の使用キャラクター呪術師はハンターの側、心音がする範囲内に一定時間居ると呪いの力をためることが出来る。
 そしてその力を使えば、ちょっとだけハンターを足止めすることが出来る。
 殴られることでもたまるし、負傷した味方を治療すれば、その治療した味方が殴られてもたまる。
 上手いこといけばハンターを呪い放題なのだ。
 まぁこうして初手で見つかってしまえば呪い放題というわけにもいかないのだが。

「フクロウ欲しい時言うてな」

「まだ……まだ、もうちょいで呪い殺せる……」

「殺すんは無理や」

 赤松の静かなツッコミが入った。

「いやせやけど葉鳥わりと時間稼いどるしフクロウは救助用に温存でええんちゃうか? 葉鳥今どこ?」

 必死で逃げ惑っている私に、Aが声をかけてくる。
 Aの使用キャラクターオフェンスはハンターに向かってタックルをぶち当てることが出来る。
 なので場所さえ分かれば妨害に来てくれる。

「こ、ここ」

「どこやねん。チャット出せやチャット」

「チャット……」

 サバイバーはゲーム中、簡単な定型文を出すことが出来る。
 画面の右上に文字が出て、それと同時に左上にあるミニマップに印のようなものが出るのでチャットを出すとお互いの現在地がなんとなく分かるわけだ。
 しかし私は絶賛チェイス中である。
 チャットを出す余裕がない。

「ハンターが近くにいるってチャットあるやろ」

「ハンターが近くにいる!!!」

「口で言わんでええからチャット出せや!」

「殴られた!!!」

「そこか。行くわ」

 一人が殴られると一定時間ハンターのシルエットが表示されるので、それを見て場所を確認したAが出動してくれるらしい。

「暗号機二台上がるで」

 一発殴られた後、まだまだ必死で逃げ惑っている私をよそに、赤松が暗号機を二台分解読しているらしい。
 赤松の使用キャラクターである機械技師はラジコン式の人形を操ることが出来る。
 その人形と自分自身とで別々の暗号機を解読することが出来るので、ものすごく早く解読が出来るのだ。
 ただ自分自身の身体能力が低いのでハンターに狙われた場合逃げるのが難しい。

「俺んとこも上がるー。ここ上げたらAがやっとった暗号機引き継ぐわ」

 Bも一台終わらせたようだ。
 丁度その時、私はダウンしてしまった。
 ダウンすると、ハンターがサバイバーのことを風船に括り付けてロケットチェアまで運ぶのだが、Aが使っているオフェンスは風船状態のハンターにタックルをすることで座らせる前に味方を助けることが出来る。
 ちなみに私の呪いもそれが出来る。

「タックルしてもええけど、特質まだなんも使ってへんよな?」

 そう、ハンターは己のスキルとは別に特質というものが装備出来るのだ。
 瞬間移動が出来たりだとか、ペットの犬(可愛くない)を放って噛みつかせてサバイバーの行く手を阻んだりだとか、その他諸々。
 中でもAのオフェンスや私の呪術師の天敵である特質は「興奮」だ。
 興奮を使われるとタックルをしたり呪ったりしたところで無効化されてしまう。

「ここまで使ってへんなら瞬間移動はないやろうし興奮やろな」

 と、赤松は言う。

「ほなとりあえず座らされた後でタックルするけど興奮やったら俺にフクロウつけて」

「分かった」

 そうこうしているうちに私は座らされてしまった。
 座らされてから一定時間経過するとこのロケットチェアは空へと飛んでいってしまう。
 なのでその前に救助してもらいたいのだが、その一定時間の五割以内に救助されると、次に座らされた際もう一度救助のチャンスがある。
 五割を超えてしまうと次に座らされた瞬間飛んでしまう。

「行くで」

 Aはそう言ってハンターに向かって突っ込んで聞いた。
 しかしタックルは決まらなかった。想定通り、ハンターが興奮を使ったから。
 ハンターが興奮を発動するとカキーンと音がするのだが、その音を聞いたところでBがすかさずAにフクロウを付けたので、ハンターはフクロウを殴ってしまう。
 殴ってしまえばハンターは少しの間硬直するので私は出来るだけハンターと距離を取る。

「暗号機寸止め出来たしもう殴られてええで葉鳥」

「ん。じゃあ呪い温存しとく」

 五台目の暗号機が上がると、その瞬間負傷状態が一段階回復するスキルがある。
 そのスキルはよほどのことがない限り皆付けている。
 赤松が言った「殴られてもいい」というのは、暗号機を寸止めにしておいて、殴られた瞬間解読を完了させればハンターがサバイバーを殴った後に出る硬直の間に距離が取れるのだ。
 そして、現在ハンターの視界に入っているであろう私かAが狙われるので、その間に残り二人がゲートを開放して、狙われなかった私かAが脱出出来れば勝ちだ。

「こっちのゲートもうすぐ開くで」

「こっちも開く」

 赤松もBもゲートを開けているらしい。

「葉鳥追われてんで」

「マジかよ暗号機に指一本触れさせてもらえなかった上に犠牲かーうおっとっと呪い殺さなきゃ」

 呪いは5までためられるのだが、一気に3使えばちょっと長めの足止めが出来る。
 追われて殴られてしている間に3たまっていたので遠慮なく呪い殺させてもらおう。

「A出られる?」

「おう。もう出られる」

 赤松、B、Aの順に脱出していく。
 私はとりあえず呪うだけ呪ったけれどゲートまでは辿り着けなかったので殴られたところで投降した。
 ちなみに最後の一人になると脱出用ハッチが開いてゲート以外に地下への脱出も出来るのだが、残念ながらハッチはなかった。

 と、いうわけで初戦は勝利となった。
 残りは13人。



◆◆◆◆◆

残り13人だけど続くかどうかは分かりません!

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