main 3
□オモイデ
1ページ/2ページ
「皆さん、卒業おめでとうございます。」
にっこりと、嬉しそうに笑っている殺せんせー。
・・・そして、なんとも言えない空気のE組。
そうだろう。
だって、僕たちは地球を守ることは出来なかったのだから。
「せんせーは皆さんと一緒に卒業できて、とても嬉しく思います。」
皆さんと過ごした一年はせんせーの宝物です、と言いながら三日月柄のハンカチで涙(らしきもの)を拭う。
・・・せんせーがいつも着けてるネクタイも、明日からは地球柄なのかな。
ぼんやりとした頭で考える。
「でも。」
せんせーの冷たい声。
「君たちはせんせーを殺せなかった。…君たちは頭が良いので、どういうことか分かりますね?」
そっか。今日で終わり、何もかも。
「・・・約束でしたね?」
黙って頷く。
「それでは皆さん…。」
静かな教室に響くのは。
大好きなせんせーが告げるのは。
―――冷たくて残酷な真実でした…。―――