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□異世界バレンタイン事情
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――今年も、この季節がやってくる。

そう、女子も男子もドキドキが止まらないバレンタインデーだ。

・・・と言ってもここはオレが治める眞魔国。

そのようなイベントは存在するはずがないと思っていた。

のだが。

「コンラッド、これ、どういうこと?」
「どういうこと、とは?」

「どうして眞王廟の村田宛てに大量のお菓子送ってるんだよ?」

「バレンタインですから。」

爽やかで良い笑顔。

イケメン過ぎて辛いものがある、が仕方がない。

通りすがりの新人メイドさん、見とれてたぞ。

「もしかして・・・こっちの世界にもバレンタインって存在して・・・?」

「いえ、ショーリが」

あのオタク兄貴、地球に帰ったら問いただす。

と、覚悟をきめていたその時。

「おい、ユーリ。これ、ムラタに渡しておけ。いいか?グレタにあげる焼き菓子がたまたま余ってしまっただけだ。別に、ば、ばれんたいんーとやらとは関係ないんだからな!」

めんどくさくて美少年なわがままプー。

「分かった、渡しておくよ」

頼んだぞ、と言い残して走り去るヴォルフ。

素直になればいいのにと思う時期はとうに過ぎて、相変わらずだなと改めて思い直す。

「でもなー。はあ・・・」

思わずため息がもれる。

「せっかく、村田を独り占め出来ると思ったのになあ・・・」

この世界にいてもあっちの世界にいても、村田は人気者だ。

そんな村田を独り占め出来る日なんて今日くらいかと思ってたのに。

次出来そうなのはいつだろう?と地球の暦を思い出していたその時、

「いくらユーリでも、猊下を独り占めなんてさせませんよ?」

――オレの目の前には、一切表情を変えることなく言い切るコンラッドがいたのだった――


――――――

バレンタインですから。

久しぶりでキャラもオチも迷子ですごめんなさい。

きっと2月14日の眞王廟には、焼き菓子がたくさん贈られてくるんだろうなー、と思ったらこんなことに…orz

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