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□メリークリスマス!
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「渋谷、メリークリスマス!
・・・ってなわけで、はい。あげる!」
「あ、ありがとう・・・。」
にっこり笑った村田が、手渡してくれたモノ。
ごそごそと包みをひらくと、中身は青いマフラー。
「どう? 渋谷、こういうの好きかな・・・って思って。」
無邪気に笑って、とんでもなく可愛いことを言ってくる。
「・・・もしかして、嫌だった?」
しばらく黙ってしまった俺を見て、村田はあせったようにおれにたずねる。
「そんなわけないよ!・・・キレーな青だなって思って見てただけだよ。村田がくれるものでいらないものなんてあるわけないだろ。」
「なーんだ、そっか・・・。よかったー。 実はこれ、今僕がしてるマフラーとおそろいなんだ!」
よくみると村田は、色違いのマフラーをしている。 可愛い茶色がよく似合う。
「これで、寒くないね。」
――雪降る夜に舞い降りてきた妖精のように、村田はツリーの下で微笑んだ――