main

□俺の生まれた日
1ページ/2ページ

『お兄ちゃん、お誕生日おめでとう!』

・・・かわいいなぁ、ゆーちゃんは。

おっと、ゆーちゃんといっても野球小僧の弟ではないぞ。

弓道部に属してる、可愛い可愛い女の子だ。

・・・ギャルゲーだが。

ひとりさみしくモノローグを入れていると、外のほうから俺を呼んでいる声がする。

「おにーさん、聞こえないの?」

最近、晴れて恋人になった、村田健。

なのに家に来る用事は、たいてい弟がらみ。

せっかく、今日は・・・。

「なんだ、ゆーちゃんなら留守だぞ。」

「違いまーす!今日はおにーさんに用があって来たの!」

「何の用だ?」

すると、勝手に部屋に入り込んできた健は、にっこりと笑うと俺に可愛い袋を差し出す。

「はい、プレゼント。・・・勝利さん、今日お誕生日でしょ?」

「お、おお・・・。」

あっけにとられている俺を見て、健は大好きだよ、と続ける。

――やっぱり、健が一番可愛いと心の中で思い直すのだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ