gift

□一緒に、ね?
1ページ/1ページ



――プルルルル
夜の静かな部屋に響く、携帯電話の着信音
「もしもし?」
こんな時間に誰だろう・・・って、渋谷?
『あ、村田?』
「僕のケータイにかけたら僕以外出ないと思うよ」
『だよな。ごめん、寝てた?』
「起きてたよ、どうかしたの?」
『何だよ、用がないと電話しちゃだめなのか?』
「そ、そんなことないよ!」

渋谷と恋人的な意味でもお付き合いを始めて気が付いたことに、彼はとても甘え上手で同じくらい甘やかせ上手ということだ。そしてとっても直球ストレート

恥ずかしいけど、嬉しい。

『・・・今年の最後と来年の最初を一緒に迎えたいと思って』
電話越しでも分かるくらい、照れてる渋谷。きっと電話の向こうで真っ赤になっているのだろう。でも僕だって渋谷のことを笑えないと思う

「ありがと、渋谷」
『何が?』
「いろいろと」

仲良くしてくれて、付き合ってくれて、甘えてくれて、甘やかせてくれて、必要としてくれて、他にもたくさん
言えば言うほど溢れてくる「ありがとう」を上手くまとめるのは難しい

「あと少しで年が明けるね」
『そうだな』

何て言葉を返せばいいのか分からなくて、お互いに無言の時間が続く
なんとなく息苦しく感じてテレビをつけてみる

「あと30秒、だって」
『カウントダウン、しようぜ!』
「そうだね」

15、14、13、12、・・・・・。

「『10、9、8、7・・・』」

自分の声と渋谷の声とが重なる
いつもだったら年が明けても何とも思わないのに、今は何故か、とっても楽しい

「『5、4、3、2、1、』」

カチッ
壁掛けの時計の針が12時を示す

『明けましておめでとう、村田!』
「おめでとう、渋谷!」

ほぼ同時に同じことを言う
嬉しくて楽しくて、思わず笑いがこみ上げた。どうやら電話の向こうの渋谷も笑っているようだ

『息ピッタリ、だな』
「流石、名コンビムラケンズの名は伊達じゃないね!」
『誰がムラケンズだ』
「えー・・・」

――明けましておめでとう、渋谷
今年もよろしくね!


――――
時間の経過を書いたのは始めての挑戦でした。至らない点ばかりですが、ちぃにゃんこさんに捧げます。よろしければ受け取ってください!
今年もよろしくお願いします_(._.)_

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ