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□俺とアイツとコイゴコロ
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「おい、ムッツリーニ、どうした?」
「別に。」
そっけなく返してしまって、少し後悔する。
…せっかく、雄二が声かけてくれたのに。
どうして、俺はいつもこうなのだろう。
ちらっ、と雄二を盗み見る。
…男らしくて格好いい、俺とは正反対な顔。
男の俺が、同じ男に恋してるなんて、おかしいのは分かってる。
…そして、コイツは美人な幼馴染みのことが好きなのも。
「さっきからどうした?」
そんなに見られると緊張する、と笑う雄二に。
――せめて、友人としては好かれていたいなんて、俺はどこまで女々しいのだろう。