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□恋ゴコロ
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「ったく・・・。いつまで寝てるんだよ。」
 おれはぶつぶつ呟きながら、長すぎるろうかを歩く。
 まったく、あいつはいつまで寝てるつもりなんだよ・・・。

「村田、いいかげん起きろよ・・・。
 朝・・・っていうか、もう昼だぞ?」
「ん? 渋谷? ・・・おはよう。」
まだ寝起きの村田は、実年齢より幼く見える。
でも・・・、あれ?
「村田、メガネは?」
「あー、きのう、割れちゃって・・・。」
あはは、と笑う村田。
笑ってる場合じゃないだろ。

「んー? 渋谷、僕の顔に何かついてる?」
どうやらおれは、村田の顔をまじまじと見つめていたらしい。
指摘されたことが恥ずかしくて、
思わず顔をそらす。
「い、いいから、早く来いよ?!」
おれが部屋から出ようとした瞬間、そっと服の
すそを引っ張られる感触。 

思わずふりむくと、村田が上目使いでおれの服を引っ張っていた。
「ねぇ、メガネがなくて見えないんだから、おいてかないでよ。」
メガネがない分幼く見えて、
冗談抜きでかわいい。

男・・・しかも同級生の村田に『かわいい』なんて変だけど・・・。
「わ、分かった。早くしろよ?!」
「はーい!」

おれの胸は、高まりっぱなしだった。
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