one-piece
□似合うもの
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「クロコダイルは本当に葉巻が似合うよね。」
午後のやわらかな陽射しがさしこむ部屋で、クロコダイルの膝の上に座りながら唐突に言う。
「………。」
新聞を読んでいたクロコダイルは、こちらを目だけで一瞥し、また新聞を読みだす。
「あと黒いコートも似合う。」
「あとオールバックも。それから社長椅子と、今みたいな昼よりも夜が似合う。あとその傷と、その目とその口と……」
最初は無視を決め込んでいたクロコダイルだったが、次々と言葉を発すわたしに痺れを切らし
「うるせぇ奴だな、さっきからなんだってんだ。」
こちらに顔を向けうざったそうに言う。
そんなことはお構いなしに、やっと目が合ったことに嬉しさを感じながら更に言う。
「クロコダイルに似合うものは、クロコダイルにしか似合わないものだよね。誰もそのコート、着こなせないもん。」
「…くだらねぇ…」
わたしの目から視線を外し鼻で笑いながらそう言うと、一瞬の間なにかを考えてる様子だったクロコダイル。
そしてもう一度わたしと目を合わせ、おもむろにわたしの頬へ右手を伸ばしさらっと撫でる。
なにを言ってくれるのかと、見つめ合ったまま黙っていると
「てめぇもおれにしか似合わねぇものだろ?」
なんて嬉しいことを言うもんだからニヤけた顔を見られまいと、クロコダイルの首に顔をうめた。
「クハハ…これを言わせたいんじゃなかったのか?」
してやったりのクロコダイル。
----…そんなとこもあなたにしか似合わない。
end
他の男にはてめぇは似合わねぇよってことすか、社長。
スーパーツンデレ社長に萌えます。
ここまでありがとうございます。