*夢の入口*
□帰り際のkiss
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ビリヤードの時総司先輩が怒ってると思ったけど、それは一時の感情だったらしい。
と言うか、何回かそんな事があって、次に連絡来た時には普通に戻ってる。
どうやら、はじめ君の言ってた総司先輩の気まぐれとは本当みたい。
今日もはじめ君の家に行って、総司先輩に送ってもらう。
それが当たり前になってた。
変わった事と言えば、送ってもらってもすぐ車から降りる事なく、総司先輩と2人で話す事が増えた。
今日もそんな感じで、総司先輩と車中で会話してる。
『この曲いい曲ですよねー!誰の曲?』
そう言って、オーディオに身を乗り出す。
「これは誰だったかなー?」
総司先輩がアーティスト名を見る為に身を乗り出した。
途端に近くなった顔と顔。
2人同時に見合わせた瞳…
私は恥ずかしくなって顔が赤くなるのがわかった。
赤くなった顔を見られたくなくて、体をシートに戻そうと思った時…
「サチちゃん。キスしてもいい?」
『えっ?!』
答える前にはもう唇と唇が重なってた。
合わせるだけの軽く長いキス…
私は驚きで、見開いた目を閉じる事が出来なかった。
クスッと総司先輩が笑う。
「サチちゃん?放心しちゃった?」
『な、なん…で…』
「今度は目閉じて…」
そう言って、総司先輩に2度目のキスをされる。
目を閉じて考えてた…
何で総司先輩は私にキスしたんだろう…って。