*夢の入口*
□金曜日
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進級して数ヶ月。
3年の生活に慣れた頃の金曜日。
『あとは寝るだけ〜♪』
金曜日だからと言ってどこに遊びに行く訳でもなく、家でのんびり過ごしてた。
そこで鳴り始めた携帯電話。
『んー?電話かぁ〜。誰だろ?』
ディスプレイを見て私は固まった…
『えっ…?な…んで…』
そこには、消したくても消せなかったメモリの人名。
もう2度と関わる事はないと思っていた人の名前が標示されてたから…
『総司…先輩…?』
今まで電話なんてした事ないし、ましてや顔だって知られていない。
約束を破られた彼の卒業式に、全てが終わったと思ってたから。
今の状況が理解出来ない。
途切れる事なく鳴り続けている携帯に、どうすればいいのか戸惑った。
そんな事考えているうちに切れてしまえばいいのに、そんな事なく鳴り続けて…
私は出てしまったんだ…
この電話を受けた事で、これから起こる数々の苦しみが待ち受けてるとも知らずに…