*夢の入口*

□進級
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涙を流した卒業式も終わり、私は進級して3年生になった。


私の高校は3年間クラスが持ち上がりだから、千鶴とも3年間クラスが一緒。
それだけは有難い。


総司先輩との一件以来、変わらず好きな人も彼氏もいない。

総司先輩を引きずってる訳じゃないけど、なんだか恋する気にもなれなかった。



青春時代真っ盛りなのになぁ…



3年になると、移動教室が多い。

渡り廊下が2年生の階にあるから、2年生と会う機会が増える。



どんっ!


『キャッ!』


千鶴と話ながら歩いてたら、走って来た男子にぶつかって尻餅ついてしまった。



「あっ!
わりー!
大丈夫か?」



そう言って手を差し伸べてくれる男の子。



『ごめんなさい。大丈夫です。』


と言って見上げると…



そこにいたのは平助だった。



「サチ…?」


『平助…
久しぶりだね…』


「怪我してないか?」


『大丈夫だよ!
元気してる?』


「俺は元気が取り柄だからさ。
サチも変わりない?」


『うん。』


「そっか。
じゃぁ俺行くな!
またな!」


『うん!またね!』



偶然とは言え、平助と久しぶりに喋れた。

何か嬉しいな…

また前みたいに、気軽に話せたらいいなと思ってたから…


私的には、友達に戻れたらなぁなんて自分勝手な事を思ってたりする。
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