*夢の入口*

□進級
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平助side



廊下を走ってたら、曲がり角で出くわした人とぶつかっちまった。


女の子だったみたいで、尻餅ついちゃってて。
焦って手を差し出した。


俺を見上げた女の子は、俺が大好きだった女の子だった。



サチを初めて見掛けたのは登校する時で、いっつも友達と楽しそうに話してて、笑顔が可愛いなと思った。


俺の1つ上だし、俺みたいなのは相手されないんだろうな…と思ってたけど、好きになったらそんなの関係なくて。


サチがたまたま1人でいるのを見掛けて、思いきって声を掛けたのが始まり。


連絡先教えてもらって、速攻メール送って。
俺は懲りずに毎日メール送った。


連絡取り合ったら益々好きになっちゃって、絶対彼女にしたくてすっげぇアピールした。


サチが俺のアピールに折れて付き合ってくれる形になった様なもんだけど、俺はすっげぇ嬉しかったんだ。


毎日が楽しくて、毎日サチの事考えて、それがずっと続くと思ってた。


思ってたのは俺だけだったけど…


突然別れを切り出されて、俺は全然納得行かなくて、ずっと別れを拒否してた。
でもサチの気持ちが変わる事はなくて…


結局終わったんだ。
今度は俺が折れる形で…


それからサチに会わない様にしてた。
サチに会ったら、また好きって気持ちが止まらねぇと思ったから。


でも、同じ普通科だから会わねぇ訳ないんだよな。


それが今日ってやつで…


サチ変わってねぇなぁー。
やっぱ、会うとダメだなぁ…
もう、新しい男出来たのかなぁ。

なーんて、しょーもねー事考えちまった。
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