reincarnation
□No.2
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「……本当に、ここでいいのか?」
「ええ、ありがとうシャドウ。あんなにエキサイティングな旅は初めてだった!楽しかったぁ!
あ、そうだ……」
はしゃぐ彼女とは対照的な目の前の無機質な建物。
近未来的な大きな基地の前に僕たちは立っていた。
「ここに着いたら連絡しなさいって言われたんだった。ええっと……」
森からはここまではたいした距離ではなかった。
“たいした距離”とは言えど国を跨るほどの距離だ。僕にはたいしたことがない、という意味合いだ。
ーー侵入者、ハッケンーー
呆然と考えていた、その時だ。
ーー生命反応アリ。直ちにハイジョスルーー
機械音とともに現れたのは複数の攻撃型ロボット。
……やはりお出ましか。
今日は何かと忙しいな。
「え!?待って、いくらなんでも対応早すぎ!」
「フン、むしろ遅いくらいだ、“彼”のアジトにしてはな」
そう、ここはかの有名な「悪の科学者」のアジトだ。
こういう出迎えの仕方はこれが初めてではない。
「突破するぞ」
「え?どうやって……キャッ!?」
僕は慌てるシンシアを抱きかかえ、風のように走り出した。