reincarnation
□No.1
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……どうして僕はこんなにも、目の前の女とマリアを重ねてしまうんだろう。
自問自答を繰り返すほど、金のまつ毛が瞬き、青い瞳が揺れる様は、マリアによく似ている。
「……ごめんなさい、困らせること言って。
初対面の人にこんな図々しいお願いするなんて非常識よね」
チラリと僕を見て、残念そうにうつむく様は、今までの勢いと打って変わっていた。
押してダメなら引いてみろ、を実践しているかのような。
こんな態度も彼女の“策略”なのだろうか。
……こういうところはマリアに似ていないな。
いや、そんなものはどうでもいい。
「その行き先で本当にいいのか?
あの男はーー」
「大丈夫。彼は私の味方であり、大切な理解者よ。
世間一般的にはいいイメージはないけれど」
「……いいだろう」
「本当に!?ありがとう!私はシンシアよ!よろしくね」
ぱあ、とまばゆいばかりの笑顔を見せ僕の手を握る彼女の細い指。
「僕はシャドウ。シャドウ・ザ・ヘッジホッグだ」
「シャドウ?あなたがシャドウなのね!」
名乗ると驚きと嬉しさが入り混じった顔をされた。
「あ、ほら、あなたって有名人じゃない?道すがらいろいろお話し聞きたいな」
そうして僕たちは“奴”の所へと向かうことになったのだ。