黒キ国ハ光求メテ
□Chapter U
2ページ/10ページ
一方フェリシアーノは、ヴェーヴェー言いながらルートヴィッヒの家を目指して走っていた。
「うわあぁぁぁぁぁぁ、遅刻だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!どうしよう……ルートになんて言い訳しよう……ヴェェェェェ!」
「フェリシアーノ!また我輩の土地を勝手に横断しおって!」
「ば、バッシュ!ごめんなさい、見逃してぇぇぇ!」
バッシュの放つ弾丸をなんとかかわし、フェリシアーノはようやくルートヴィッヒの家にたどり着いた。
「ハアー、ハアー……やっとついたあ……あれ?」
フェリシアーノはルートヴィッヒの家の前を見て、思わず首を傾げた。
いつもならもうとっくに着いているはずの菊が、佇んでいたのだ。
(なあんだ、菊も遅刻かあ……にしてもどうしたのかな、軍服。いつも白いやつ着てるのに、今日は黒いの着てる……イメチェンかな?とりあえず声かけよっと!)
「おーい!菊ー!」
すると菊は一瞬身を竦め、ゆっくりとこちらを振り向いた。
「珍しいねー、菊も遅刻ー?よかったー。ねえ、一緒にルートに謝ろうよ!菊が一緒なら……」
「……ですね。」
「え?」
「うるさいですね。こうでもしないと黙れませんか?」
その瞬間−菊が何かを振り下ろし、フェリシアーノの体から赤い鮮血があふれた……