復讐貴族
□File2.笑顔少年の仮面裏
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どこかにあるとある学園。そこに、彼は通っていた。
「ルートー!菊ー!おはよー!」
彼はいつもの笑顔で友人二人に飛びついた。
「あ、おはようございます。フェリシアーノくん。」
「まったく……朝からそんなにべたべたするな!」
「えへへー♪二人とも、ハグしてよハグー♪」
「学園に着いたらな。」
「えー……」
「当たり前だろ!こんな道端でできるか……」
「ああ、フェリシアーノくんもルートさんも早く行きましょう。遅刻してしまいますよ。」
「ああ……」
「あ、待ってー!」
にこにこと笑う彼こそが、笑顔少年−フェリシアーノ・ヴァルガスだった。
フェリシアーノの人気はたいしたものである。泣いたことなどないのではないかという噂まであるくらい、彼はいつも笑っているのだ。
学園に着くと、すぐさま昇降口で待ち構えていた先輩に声をかけられた。
「おはようフェリちゃん!今日もかわいいわね。」
「おはようございます、エリザベータ先輩!」
「うわあぁぁぁ、フェリちゃん今日もむっちゃかわええがな!なあなあ、俺のクラスこーへん?」
「ちょ、トーニョ!フェリシアーノを離しなさい!フェリシアーノ、こんな奴のクラスより俺のクラスおいでー?」
「お、俺まだ学年いっこ下です……」
その後、二人の先輩がエリザベータのフライパンの餌食になったのは言うまでもない。