黒キ国ハ光求メテ
□Chapter W
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「……う゛っ……」
黒い服を着たギルベルトはゆっくりと立ち上がった。一斉に、皆が戦闘体制にはいる。
「……はあ。ようやくこの世界で自由に動くことができるな。」
「……誰なんだい。君は。」
「……俺か?俺は、ギルベルトだ。裏世界のな。」
「裏世界、の……?」
一瞬沈黙が走ったが、みんな一斉に偽ギルベルトに向かって武器を向けた。
「兄ちゃんを返せ!」
「貴様らのせいでエリカはっ……!」
「エリザとルートを返しなさい!」
「我の仲間を、弟を返すよろし!」
「アーサーを今すぐ元に戻すんだぞ!」
「フランシスさんを返してください!」
「トーリス元に戻せしー!」
「バーロー!ヘラクレスをどこにやっちまったんでい!白状しろぃ!」
「姉さんとナターリアを返して?そうしないと……コルコルコルコル……」
「ま、待ってくれ!俺はなにも知らないんだ!知ってんのは菊だけだ……!」
その言葉を聞いて、偽ギルベルトに向けられていた武器はすぐに下ろされた。
「……それより、こっちの願いを聞いてくれ。」
「願い?」
「……頼む。
だれか、俺らの世界を救ってくれ!」