黒キ国ハ光求メテ
□Chapter U
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菊があの機械を発明して一週間。それぞれ魔法を駆使して毎日楽に生活していた。
「さて今日は……ルートさんの家で会議ですね。それ、ルーラ!」
長時間かかっていた移動が、ルーラの習得によりわずか三秒に短縮された。菊はあっという間にルートヴィッヒの家にたどり着いた。
扉をノックすると、すぐにルートヴィッヒが出てきて菊を出迎えた。
「お邪魔します。ところでフェリシアーノくんは……」
「また遅刻だ。あいつ、ルーラがあるくせにしょっちゅう忘れて……習得した意味がないだろうと毎回叱っているのだが……」
「大変ですね……」
「まったくだ。」
「……あ。」
何気なく鞄を見た菊は、大切な書類を家に忘れてきたことを思い出した。
「菊、どうした?」
「すいません、ルートさん……少し忘れ物をしてしまったようなんです。一端取りに戻りますね。すぐにまた来ますので……」
「わかった。なるべく迅速にな。」
「はい。」
菊はルートヴィッヒの家からでると、またルーラを唱えて家に戻っていった。