黒キ国ハ光求メテ

□Chapter T
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とある日。菊の家−

「……ついに……ついにできました!」

フラフラになりながら叫ぶ菊の前には、小さな機械があった。

「ふふ……今度こそ成功させてみせます!そして証明するのです……これが本当に二次元へ行く機械だということを!」

菊は繋がれた二本のコードを自分の両腕に取り付けた。

かれこれずっと、菊は二次元に行く機械の研究をしてきた。しかし今までの試作品はすべて失敗。今度こそ、と意気込んだ作品がこれなのだ。

「これでようやく私の夢が叶います……」

ゆっくりと菊がスイッチに手を伸ばした。

「……スイッチ、オン!」

しかしスイッチを押したその瞬間、機械からぼわんと音がたち白い煙が濛々と部屋を覆い尽くした。

「ゴホッ……ゴホッゴホッ!ま、また失敗ですか……」

煙はすぐに晴れ、パソコンの画面に菊の悲しそうな顔が映った。

「……ん?」

菊はパソコンに表示された画面を見て、思わず目を疑った。

「……これは、一体……」
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