箱庭王国

□3rd Gulty
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昔。広大な領地を治める領主がいた。

領主を務める夫婦には、子供がいなかったがようやく夫人が身篭り、夫人は二人の男の子を産み落とした。

しかし、弟は父母と同じ金髪碧眼をしていたものの、兄はどういうわけか父母や国の人間とは異なる銀髪赤眼をしていた。

父母はこのことに酷くショックを受け、兄のことはひた隠しにされた。

しかし、それはいつかはばれること。いつの日か兄の存在は明るみに出て、領主の地位は剥奪。一家は急に没落した。

それからというもの、両親は兄に手酷い虐待を強いることになった。

お前のせいで我が家は没落した、と。お前なんか死ねばいいんだ、と。

兄のことが原因で、いじめられていた弟が自殺した時はもっと酷な虐待をうけた。

そのせいで兄の左の顔は、ボロボロになってしまった。

兄は、両親からも周りからも『悪魔の子』と呼ばれた。

そう言われる度に、兄は部屋の隅でひっそりと泣いていた。

なぜ自分はこんな姿で生まれたのか。なぜ容姿が違うだけで、こんなにも手酷い扱いを受けるのか。

そう考えながら、兄はただただ虐待に堪えていた。

そうして月日は流れ、兄は青年になった。
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