箱庭王国
□2nd Gulty
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フロールレートの森の奥。暗く背徳な館に、一人の青年が住んでいた。
白いブラウスに黒いズボン。そして色鮮やかな真っ赤なマント。
彼の名は、アルフレッド。若くして広大な領地を納め、同時に有名な美食家でもある。
「アルフレッド様。起床の時間ですよ。」
朝。ふわふわとした髪の召使がアルフレッドを起こしにきた。
「今日も良いお天気ですよ。」
「……うーん……あと30分……」
ベッドの中でもぞもぞと動きながらアルフレッドはそう呟いた。召使は苦笑いしながらベッドに向かって声をかけた。
「……アルフレッド様?毎朝こうじゃないですか……また隠れてゲームでもしていましたね?」
「……してないぞ……でも眠いんだぞ……マシュー……だか……ら……zzz……」
「ああ、もう……アルフレッド様!」
「zzz……」
彼の朝は、いつもそんな感じである。マシューはため息をつきながら、口を開いた。
「そんなにずっと寝ていますと、朝食をすべてアーサーさんのスコーンにしま「わー!起きる!今すぐ起きるんだぞ!」
アルフレッドが飛び起きると、アーサーはにこりと笑った。
「起きましたね。広間へどうぞ。朝食の支度が出来ています。」
「ああ!……あ、まさか全部アーサーのスコーンにしてないだろうね?」
「していませんよ。」
「ならよかったんだぞ!」
アルフレッドは赤いマントを羽織ると広間へ向かった。