箱庭王国
□PROLOGUE
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時は未来。夜中、金髪の青年は机の前で何かを読み耽っていた。
「……」
タイトルは『悪逆王国』。かつて存在した王国の、歴史書である。
すると彼はなにかを思いついたように立ち上がり、携帯を手に取った。すぐに相手が出る。
「……ああ、Hello。俺だ。……そうムキになんな。起こしたのは悪かったって……なあ、いいことを思いついたんだ。いますぐ家にこれるか?……ああ。よろしくな。」
そう言って彼は通話を切った。それから間もなく、ヘリコプターの音が聞こえた。
「ヘーイ、アーサー!待たせたね!で、なんだい?そのいいことって!」
メガネをかけた金髪の青年は、ワクワクした様子で彼、アーサーに詰め寄った。
「落ち着け。ったく、お前はいつまでたってもガキだな、アルフレッド!実はな……」
アーサーはメガネの青年−アルフレッドにこっそり耳打ちした。
アルフレッドはその提案ににこりと笑うと、アーサーと一緒に奥の部屋に向かった。
その家が無人になったのは、それから数十分後のことである。