幼馴染みのトキヤくん

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「なにやってるんですか」





びくりと、これでもかと言うほど肩が震える。前にいる翔ちゃんも赤い顔はどこへやら、今度は顔を青くして私の背後を見ていた。


嘘……。でも、確かに彼の声に間違いはなくて。
私は重い頭をゆっくり動かして、後ろにいる彼を見上げた。



そこには、この上なく不機嫌なトキヤが立っていて。





『トキヤ……どうして、』


「話が終わって、振り返れば貴方がいなくて、この広い食堂で探しまわってたら翔と貴方の声が聞こえて、ここに来ただけですがなにか?」


『え、いえ、なにも』


「人がせっかく心配して探していたというのに、貴方はまぁ随分と翔と仲睦まじくコントをしてらっしゃるみたいでしたし?」


『ご、ごめんなさい』





どうしよう、完全に不機嫌モードだ。


でもどうしよう、すごく嬉しい。
トキヤがまた来てくれたこと。心配してくれたこと。
肩で息をするまで、額に汗を滲ませるまで私を探してくれたことが、嬉しくて。

今までどうやっても取れなかったはずの黒いもやもやが、いつの間にかなくなっていた。

トキヤの行動ひとつひとつに心が左右されて、私ってやっぱりトキヤが好きなんだと、今更そんなことを考えてしまった。





『ありがとう、探してくれて』


「……!い、いえ別に、」





まさか私がお礼を言うとは思っていなかったらしく、驚いているトキヤ。

咳払いをして私の隣に座るその頬は、ほんのり赤くなっていた。



照れてるトキヤもかっこいいなぁ……。












2012.04.22.

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