企画
□誰のもの?
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※ファミプリ夢主設定
「ありがとうございましたー!」
今日も多くの人で賑わっていた我がファミレスST☆RISHも、閉店の時間です。
最後のお客様を見送って、従業員たちはそれぞれ片付けをしたり掃除をしたり。忙しいことには変わりありません。
そして私もそのひとり。ただいま大量のお皿を拭いております。
きゅっきゅっ、と心地よい音が響かせながら一枚一枚キレイに拭いていく。
うむ、今日もピカピカである!
最近皿洗いのスキルが格段に上がってる気がするなぁ…などと考えながら汚れひとつない皿を眺めていると、そこにひとつの影が差して。
『?、………あ』
気になって振り返れば、そこには犬……げふんげふん、音也くんが立っていました。
私はいったん拭いていたお皿を置き、音也くんと向かい合う。
「名無しおつかれ!今日も人が多くて大変だったねー!」
いつものように元気いっぱいな笑顔を浮かべる音也くん。その顔には、うっすらと汗を滲ませていた。
さすがの音也くんも、今日は少しお疲れみたいだ。
『今日はホールメンバー少なかったもんね。お疲れ様です』
「そうなんだよーっ!ねぇ癒して名無しー!」
『は?え、ちょ……ぎゃっ!』
気がつけば目の前に音也くんがいて、言うが早いか私に抱きついてきた。よろけそうになる体をなんとか支える。
…なんで!?
お疲れ様って言っただけなのに、なんで抱きつかれているんだ私!
(しかもなんだ癒すって!)
『お、音也くん……!?』
「ゴメン、少し充電させて…」
『じゅ…!?いや、まだ私仕事が』
「皿拭くの、俺も手伝うからさ。もうちょっとだけ、ね?」
『………、』
必殺・わんこの眼差し。
(ああもう、なんなんだよ!)
すると音也くんは、何も言わない私の反応を肯定だと捉えたのか、更に体を密着させて私の肩に顔をうずめてきた。
…どうしよう、すごく困る。
「わぁ、名無しシャンプーのいいにおいするね!」
『…………』
でも可愛いから許す。
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