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□その男、要ちゅうい!
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『き、綺羅さん、っ』

「…………なんだ、」

『あの、っ、は、離してもらえないでしょうか』

「………………」



私は今、綺羅さんの腕の中に閉じ込められている。まさにどうしてこうなった状態で私の頭は混乱するばかり。綺羅さんは一向に離してくれる様子もなく、肩を押してもびくともしない。

いつもは無口でぼーっとしている彼が、一体どうしてしまったのだろうか。



「…………動くな、」

『!!!!』



更に抱き締める力を強くして、綺羅さんは私の耳元へ唇を近づけてきた。ぼそぼそと喋るせいか彼の吐息がダイレクトに耳をくすぐって、思わずびくりと肩が跳ねてしまう。

しまったと思い綺羅さんの方を見れば、綺羅さんは少し驚いたような顔をした後、わずかに目を細めて。



「弱いのか、耳」

『駄目、です……ってちょっと綺羅さん何して、ッ』



駄目だと言っているにもかかわらず、綺羅さんは再び耳へ唇を寄せて今度はふぅ、とわざとらしく息を吹きかけてきた。びくびくと体が震える。顔を退けようと伸ばした手は呆気なく掴まれ、一つにまとめられて後ろの壁へと縫い付けられてしまう。



『き、綺羅さ、っ』

「舐めたい、」

『、───や、ッ!!!』



言うが早いか、綺羅さんの舌が耳裏をなぞる。まるで電気が走ったみたいに全身が一瞬で痺れた。そんな私の反応を見てか、今度は耳たぶにも舌を這わせてくる綺羅さん。抵抗しようも力が入らず、むしろ抜けていく一方で。



『ひ、ぁ、だっ……ダメですってば、!』

「…………ん、」

「!!!!」



仕舞いには耳を優しく甘噛みされ、完全に力が抜けてしまった私はへなへなとその場へ座り込む。同じように綺羅さんも屈み、金色の瞳が私を捉えた。その綺羅さんの眼がひどく扇情的で、一気に自分の顔が真っ赤になるのがわかる。


(こんなの、いつもの綺羅さんじゃないよ……っ!)

私がドキドキしながら彼の視線から逃げていると、突然伸びてきた綺羅さんの手が頬をするりと撫でた。まるで目を逸らすことも決して許さないと言うように。そしてそのまま彼の手が動き始めて、輪郭、首筋へとゆっくり指が滑っていく。



『や、綺羅さん……!』

「…………名無しのその顔、もっと見たい」

『!!! 何言って、っ』



なに瑛一さんみたいなこと言ってるんですか、なんて今の状況で言えるはずもなくて。

しかも開きかけた私の口は、いとも容易く綺羅さんによって塞がれた。普段の彼からは考えられないほどの荒々しいそれに、なんだか目の前がくらくらして。





しかしそんなぼんやりした頭で感じたのは、口の中にほんのりと広がったお酒の味だった。










その男、要ちゅうい!



(あー!!! 綺羅ってばこんなところにっ!!)

(な……ナギく、っ)

(ちょ、ちょっと大丈夫!? さっき綺羅、ジュースと間違えてお酒呑んじゃってさあ!一口だけなのにすっごい酔っ払っちゃって……)

(ひ、一口であんなになるんですか……!?)

(うーん、綺羅はすごくお酒弱いみたい……っていうか、綺羅に何かされたの!?)

(……………………何も、)

(何かされたんだね)







─ ─ ─ ─ ─



綺羅はすぐ酔ってしまえばいいと思います。あ、未成年者の飲酒は駄目ですよ!彼は19歳ですからね。でも奈良漬けとかでも酔っ払ってしまう綺羅とかとても可愛いと思いますというか欲しいですお願いします(土下座)
そして酔っ払うとドSになっていつもより饒舌になってくれることを願います。切実に!あーでも普段から無自覚ドSくんでいてほしい。
あと好きな女の子の前でだけあたふたしちゃう瑛一さんとかおいしい。すごくおいしい。真っ赤な瑛一さんとか見てみたいです><


それとうたプリ3期決定おめでとうございます!今からとっても楽しみです。というかうたプリライブ行きたかったなぁ……行けた方が羨ましいですううう(´ `*)
私も来週トキヤさん(中の御方)に会ってきます!しかし田舎者なので道に迷わないか激しく不安なのですけれども……












2013.12.06.

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