黒子のバスケ

□たかが影、されど影*
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「どこへ行くんですか?火神くん」

気配も何もなかったはずの背後から聞こえた突然の声に、ギクッと肩を強張らせる。いつも何を考えているのか分からないような目をしてこちらを見上げる小さな影。俺の光に隠れて、いつでも静かにこっそりと(してるつもりもなさそうだが)現れる。

「お、おう…ビビったー…」

「そろそろ慣れてください」

ムスッと頬に空気を入れるその顔ははたからみたら愛らしいのだが、しばらくこいつと組んでる俺から言わせてもらえば真っ黒な小悪魔だ。

「今日は教室じゃないんですね」

「それは…」

それはお前の近くにいると気まずい、と口が滑りそうになり、慌てて止める。

「?」

目の前で?マークを出し続ける小悪魔。

「なぁ黒子、」

「はい?」

「分かってんだろどうせ…」

「ふふっ…火神くん僕のこと避けてますね」

「影って…光を脅すためにあるんだっけか」

「なんの話ですか?」

「なんでもねえよ」

「…じゃあ一緒にご飯食べますよね?」

「っ…わーったよ!!」

するとその小悪魔は、もう一度ふっと笑い、俺の手首を掴んだ。

「じゃあ僕から目をそらさないでください。そっちに僕はいませんよ?」



**********


実は昨日、俺はこの小悪魔黒子に襲われた。
それは本当に突然のことで、俺にも訳が分からなかった。
帰り道に顔色も変えずに「君の家の近くに用があるんです」とついてきて、「少し寄ってもいいですか?」とあっさり我が家に侵入。「火神くんの部屋が見てみたいです」と難なく俺の部屋に足を踏み入れ、その小さな体で勢いよく俺をベッドに押し倒した。

頭の上で手首を拘束される。

最初は何をされるかなんて何も考えていなかった。

訳も分からずされるがままにされていると、黒子は俺の耳元でそっと「好きです、火神くん」と言った。

「好き…?」

聞き返すと、黒子は俺より高い位置から言い放った。

あ い し て い ま す

自慢ではないが、俺は童貞。向こうにいた時だって、色気沙汰には興味がなく、女と関わることもあまりなかった。かといって男とおかしな関係になったこともなかったはずだが。

つまり、俺はそこら辺の知識は浅はかであり、文字通り色気より食い気ということである。

「火神くん、ちょっと失礼します」

「ひぁっ」

黒子が俺の股をそっとなぞった。体がビクッとはねる。

「見かけによらず可愛い声なんですね」

「や、め…ろ、黒子」

怖い。

黒子は淡々と喋りながら、その手元はちゃっかり俺のズボンのベルトを外していた。
手を縛られている俺は抵抗することも出来ず、ただされるがままにズボンとパンツを脱がされた。
人の手によってあらわにされた自分のモノを見るのは正直キツイ。顔の赤みを抑えることはできなかった。

「抵抗しないでくださいね?」

今まで人に触れられたことのないその穴に指を添えられる。

「ぅ、あぁ…そんなとこ、や、だ」

涙が流れ出したのが分かった。
怖い。怖い。怖い。
逃げ出したい。

「怖くないですよ、火神くん」

流れ出した涙をペロリと舐め取られる。

「そういえばキスするの忘れていました」

頬を這っていた黒子の唇は俺の唇に重ねられた。挨拶程度のキスしかしたことのなかった俺にとっては初めての深いキス。噛み付くように、しかし優しく。相手の舌まで入ってくる。

「く、ろこ、お前なんのつもりだっ」

「…分かりませんか?」

「いっっ、ぁっ、は、や、めろ…」

下半身への異物感と痛み。黒子はその細い指を俺の秘部に突っ込んでいた。

「あ、もしかして火神くん案外大丈夫ですか?」

「そんな、んじゃねぇっ」

黒子は指を増やし、ぐるぐると俺の中を犯した。

「も、ほんと、マジやめて…」

必死に思いを伝えても無駄であった。

「ここでやめたら意味なくないですか?」

そんなことを言って、既にてっぺんを向いていた俺のちんこに手をかけた。

こり、と軽くしごかれる。

「っは、あぁ…ん、もぅ、」

手の動きは速くなり、快感が大きくなる。

「イってもいいんですよ?」

黒子のその声と同時にブルっと身震いをした。
先端からはドピュッと白い液体が流れ出した。

「あっ…ぁぁ…ぅ」

「火神くん、今すっごいエロい顔してますよ」

そんな黒子の呟きをきいてから、俺はあっさりと意識を手放した。


**********


「昨日の火神くんはほんとに可愛かったですよ?」

「…知るか」

パンを貪り食いながら会話する。

「ただ…」

「?」

「せっかくあそこまでやったのに…火神くんが意識の外に逃げた所為で、僕は一人で抜きました。あれは挿入る為の準備段階だったのに、火神くんあっさりとイっちゃうんですから」

「やめてここで言わないで黒子」

「無理です。あんな顔しておいて抜かせてくれないなんて詐欺です。訴えます。火神くんの可愛さを訴えます。顔が真っ赤で、鼻水とか、唾液とか、いろんな穴という穴から液体が流れ出していて、ハア、下の口でも我慢汁が、我慢汁ハアハアハア涙目が、ああぁーっっあっ」

「落ち着け黒子どうした!?」

クラスがどよめきはじめる。

「すいません火神くん。僕、妄想で勃ちました」

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ」

「一つだけ、よく誤解されるので言っておきますが、僕は変態じゃありません」

「ウソつけ」
 

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