黒子のバスケ
□せんぱいっ*
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トクン、トクン、トクン…
(うわあああああああもう嫌だ俺ヘンタイ!!)
トクントクントクントクンっ
(だから!もうおさまれ俺の鼓動!)
「なぁにソワソワしてんだよ黄瀬っ!しばくぞ!!」
俺は今部活終わりの部室にいる。
忘れ物を取りにきたとき、誰もいないと思った部室には笠松センパイがいた。
二人きり。
もう一度言おう、
二人きり。
バクバクバクバクバク
(まあそりゃあね!密室に二人きりで興奮しない男子なんかいないっスけどね!!)
目の前でなんの躊躇もなく(男同士で意識などするわけないし、いつも通りにしているだけ。二人きりになった黄瀬が過剰反応しているだけである)着替える背中を見る。
拭ききらずに流れる汗は、美しい筋肉の筋をつたって、地面にシミをつくった。
(やっぱり小さいな…)
自分の腕におさまりそうだなと両手で輪っかを作ってみたりして。
こんなことをしていると、思いもがけないことが起こった。
「黄瀬!きいてんのk
振り返ったセンパイの表情が固まった。
「お前!鼻血出てんぞ!!」
「へ?」
「あつけあたりか?ちょっと待ってろ!」
「いや、あの…
(妄想したなんて言えない!)
「つーかなんだそのポーズ!入るぞ!!」
「え?ちょ…
センパイはあっさり俺の両腕の中に入った。
(うわああああああつかセンパイハダカああああああ…
「んが!!」
「つめとけ!!!!」
ティッシュを鼻に突っ込まれた。
「あとな…黄瀬…腕、ほどけよ」
「あ」
「なぁにどさくさにまぎれて俺を抱え込んでんだやめろ!//」
「ブハッ」
「黄瀬⁉どうした!まだ殴ってねーぞ!!」
「大丈夫、今回は吐血っス…」
「大丈夫じゃねーじゃねえか!ほ、保健室に…!」
だって、センパイ、さっき若干顔赤くしてて…俺の腕の中で…
ん?
保健室!?
この時間に保健室!?
先生も生徒もいない!!
ヤバイぞこれは!!