君と僕
□もう、双子じゃない*
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「ゆーうた」
「何?」
「...」
「何?」
「悠太、冷たい」
「冷たくないよ。俺今課題やってるの」
「わー悠太ってそーゆーんだ、俺より課題が大事なんだ最悪」
「もー何なの祐希くん。祐希くんのクラスは課題出てないの?」
「...悠太が後で見してくれるもん」
「いつまでも兄ちゃんの事頼ってるんじゃダメでしょー、祐希。たまには自分でやりなさい」
きっと悠太からしてみればいつも通りの会話だった。
でも俺は今日、いつも通り続けるつもりなど微塵もなかった。
「だから祐希はいつまでたっても子どもなんだよ」
シャーペンをカリカリとせわしなく動かす悠太。
俺はその背中ごと抱きしめた。
「悠太ぁ〜お願いぃ〜」
「そんなおねだりが通じるのは小学校までだよ、祐希」
悠太はこちらを見ない。
(もう、知らないんだから)
俺は悠太の座っていた椅子をクルリと回転させ、自分の方を向けた。