うたプリ

□告白短冊
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「来栖、お前は天に何を願う?」




長方形の紙を持ってボソッと呟く真斗を見て、翔は呆れるように言った。





「お前が言うと何か大袈裟だよな…多分これ見たやつ何人か目次に戻ったと思うぞ…」




7月7日、七夕ー。

那月が突然「みんなで短冊に願い事を書きませんか?」と言い出した。

しかし前もって考えてもいない願い事など出てくる訳なくて。

真剣に考えていた翔と真斗だけがその場に残っていた。





しばらく宙を眺めていた真斗だが、眉間に皺を寄せて真剣に悩む翔の姿を見てフッと笑い、綺麗に切り揃えられた髪を揺らした。





「実はな、来栖。俺の願い事はもう決まっているんだ」




翔はしばらくポカンとして真斗の方を見ていたが、すぐにあわあわと慌てて必死で謝った。





「悪い!俺が最後まで残ると思って気遣ってくれてたのか!」




すると真斗は穏やかな表情のまま、





「そういう訳では無い。気にするな…最後まで残ることを期待してはいたが…」




と、だんだん声を小さくしながら言った。




「なんだよ、後半何言ってるか全然分からなかったぞー!もっかい言え!」



顔を顰めて小さな耳を真斗の口の前まで持っていこうとする翔を見て、真斗は慌てて立ち上がり、笹の方へ歩み寄った。




「ただの独り言だ。どうだ来栖?ここは一つ皆の願い事を参考にしてみないか?」




成る程!と笑顔でトタトタ追ってくる来栖に対して、
真斗はタイミングを逃した、なんて一瞬下唇を噛んでいた。




「あっこれ音也の!えーと、何々…?みんながハッピーになれますように…?」




休む暇もなく短冊を音読し始める翔を見て、真斗は微笑んで答えた。





「いかにも一十木だな…これは神宮寺か」



「えっあいつも書いたのかよ!なんて書いてあんの?」



「…これはR18だ」



「あいつ何書いたんだよ…」



「これは四ノ宮だな」



「那月!!」




やはり幼馴染というのは気になるものなのか、翔は嬉しそうに身を乗り出した。





「残念ながら解読出来ん」




真斗は一瞬短冊を見て顔を顰めてそう言い放った。翔は苦笑しながら、




「お前案外適当だよな」





と言った。

翔は目に入った短冊をペラ、と返した。



「あっトキヤの…」



「どうせsexy sexyだろう」




「お前そろそろ面倒くさいオーラ出てんぞ」




翔に突っ込まれた真斗は無言で自分の短冊を笹の葉に括り付けた。




「聖川は何書いたんだよ!」





ニヤニヤしながら翔が短冊に手を伸ばすと、真斗は唐突にその手を握った。





「聖川…?」




翔が驚いて見上げると、真斗は若干頬を染めて、水色の瞳をしっかり見つめた。




「俺の口から伝えよう」




不意に吹いた風で揺れて表に返った短冊にはー






END





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もうすぐ七夕ということで!

ここで裏話↓

・レンと那月の短冊には翔ちゃんに対する欲望が溢れていた

・告白のタイミングを逃した真斗はイライラしていた

ありがとうございました!

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