うたプリ

□惚け*
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見られている。

俺は確かな感覚を覚えた。

雨に濡れた服を脱ごうとしたところで、俺はその視線に耐えられなくなって口を開いた。


「聖川…?」


するとその熱い眼差しの持ち主はハッと我に返ったような素振りを見せ、コホンと咳き込んだ。


「悪い、惚けていた」


すぐに硯に向かうその姿を確認してから、水で張り付いたシャツの裾に手を掛ける。


「ふうん…あんまりぼんやりしてると危ないよ?聖川…もし転びでもしたら…」


チラッとさっきまで聖川が硯と向かい合って正座していた場所を見る。しかし、その場所にはもう誰も居なかった。

不審に思っているとその声は背後から聞こえた。


「貴様がな」


目を光らせて俺の首に腕を回した。言葉を発することが出来ずにその目を見据えると、彼は薄笑いを浮かべて強引に口付けをしてきた。噛み付かれるような感覚にたじろぐとその唇はあっさりと離れてしまった。そうかと思えば耳元で、


「濡れた服は脱ぎ辛いだろう。俺が手伝ってやる」


なんてとんでもないことを囁かれる。

囁くことには慣れているが、囁かれるというのは全くと言ってもいいほど慣れていない。

そのまま限界まで追い詰められて、シーツの海に突き落とされた。

彼は俺に馬乗りになって背中を丸め、ゆっくりと俺の唇を舐めまわした。そのまま深く口付け、舌を絡める。


「ふ、は、ぁ……んっ」


どちらのものとも言えない吐息が漏れる。

逃げようとしても手は頭の上でしっかり押さえつけられ、それに加えて彼の膨れ上がった欲望をこれ見よがしに俺の腰に押し付けてきているものだから、足をばたつかせることも出来ない。

息が苦しくなってきたところで、やっと唇が離れる。銀色が糸を引いた。

すると彼は俺の濡れたシャツに手を掛け、そのままグイ、と捲りあげた。露わになった胸の突起を舌で転がすように弄る。クチュ、といういやらしい水音が気分を高揚させた。

そんなこんなで気分が高まってきたところで、シャツはもう手首の辺りまで脱げていて、上半身には大量の花びらが散りばめられていた。もう残すは下のみ、なんていうところで、彼は唐突に手をひいた。不思議に思って見上げると、彼は白い歯の間から赤い舌を覗かせて言った。


「俺はシャツを脱ぐのを手伝うと言っただけだが?」


しばらくそのまま固まっていたが、自分が物凄く恥ずかしい状態にあることに気付き、早足でシャワーに向かった。



後日、"惚ける"という言葉に"ぼんやりする""極度に心を奪われ夢中になる"という二つの意味があることを知った。自分は前者でしか使ったことがない言葉だったが、先日のあの行為の直前に聖川が口にした台詞が前者なのか後者なのかは未だ謎に包まれている。



END




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例え服を脱いでも、私の表現下手はなおりません…

御曹司まじ歩く18禁すぎて

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