short

□渇望
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満たされない。


どんなに水和を抱きしめても、何度もキスをしても、何度も水和と躯を重ねて突き上げても足りない。


もっと、もっと水和が欲しくなる。













「んぅ、…も、むりっ」



ギシギシと鳴るスプリングの軋み。
どれだけ今の行為が激しいのかを物語っているようで、何故か嬉しくなる。


俺が突き上げれば、響く水和の嬌声。
もっと聞きたくて首筋に舌を這わせて胸を弄れば更に甘い鳴き声をあげる。オレがこの声を出させてるんだと思うとゾクゾクする。

もっと鳴かせてやりてーってな。



「水和、もっと声出していーんだぜ?」

「や、あぁっ……」



恥ずかしいのか口を手で押さえる水和に愛しさと同時に苛立ちをも感じる。

恥ずかしがる姿は可愛くて、もっと乱れさせたい。
声を抑える仕草は感じてるんだっていう喜びと、もっと恥ずかしがる様を見たくて苛めたくなる。


だけどな、それと同時に感じる苛立ちは……。


(快楽に溺れろ、声を押さえるな、素直にオレを感じろ、……―――壊れるくらい乱れろ)



水和を引っ張って身体を起こせば何事かと焦る水和に構うこともしないで、無理矢理俯せに寝かせる。



「やっ、ディーノさんっ!!」

「水和はこの体勢嫌いだもんな」



だからしたくなる。

嫌がる水和が可愛い。
嫌がる水和を抱くと、まるで犯してるみたいで興奮する。


今だ抵抗する水和の手を掴んで押さえ付ける。
――そのまま背中にキスをして、唇を這わせて、舐めあげれば簡単に水和の声が耳に届く。



「ひゃっ…、ん…んぅっ」



くぐもった嬌声。快楽に震える身体。


(それがオレを煽らせてんだけどな)


「犯されてるみたいだぜ?水和」

「っ!!もっ、やぁっ」



オレの言葉に興奮したのか中が締まる。のと同時に突き上げれば、シーツを強く握りしめて必死に声を出さないために枕に顔を埋める。

そんな姿も可愛いくて堪らない。


このまま快楽に溺れればいい。

オレなしじゃいられない身体になればいい。


もっとオレを求めればいい。



「…なぁ、っ出すからなっ」

「っ!え…、うそ…――や、やだっ!!」



嫌がる水和に構うことなく、欲望を奥に吐き出した。


これで孕めば水和はオレの隣に居続ける。
マフィアのボスの子供を孕むんだ。離れるなんて赦されねぇ。


満足なんてできない。水和を抱く度にますます貪欲になる。

なぁ……だからお前も早く………―――堕ちてこいよ。






〜End〜





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