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□優しさの裏側は愛情
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ボスは元々優しい性格でファミリーを大事にするし、部下一人一人を大切にして心配だって勿論する。


だから私のこともファミリーの一人として心配してくれてるんだと思ってたけど最近少し違うことに気づいた。


何て言うか……過保護すぎる?


任務から戻れば―――。



「水和、大丈夫か!?ケガしてないか!?具合悪くないか!?」



具合関係ないし…。

書類仕事をしていれば―――。



「疲れてないか?少し休憩したほうがいいんじゃねーか?コーヒー入れるか?」



コーヒーを入れるのは部下である私の役目です。


とにかく!!異常に私に甘すぎる。


私は子供じゃないし、ファミリーのボスが部下一人をこんなに贔屓にするのは絶対によくない。
だから、私は極力ボスに会わないよう距離を置くことにした。





そして、今現在。


任務帰りだった私は部屋に戻ろうと自分の部屋まで来て、人影があることに気づく。


なんとなく予想は出来てたけど、扉の前にボスがいる。



どうしよう…せっかく距離を置いていたのに……。でも、行かないわけにはいかない…。

第一、ボスを無視なんて部下として許される訳がないし……任務帰りに部屋に戻れないのも辛い。



「ボス」



声を掛ければ、直ぐに振り向いて私を見る。
その表情はいつも心配してくれてる少し情けない顔じゃなかった。


………凄く真剣で…、戸惑う。


ボスはゆっくりと私に近づくと口を開いた。



「ロマーリオに言われた」



何をですか?

心の中だけで問う。

口には出せない。出せる雰囲気でもない。



「一人の部下にそこまで執着するなって」



ロマーリオさんの言う通りだ。周りだってよく思わない。


キャバッローネの人達は優しくておおらかな人が多いから今までは笑って許されてるけど…、だからといってこのままでいいわけがない。


分かってるのに……少しだけ……………悲しくなる…。



「一緒にいたいなら別の方法にしろってさ」

「別の方法?」



私の思っていた言葉と違う。
てっきり、もうお前とは関わらないって言われるかと思ったのに……。



「水和を愛してる」


「……っ、――ボ、…ス…」

「オレの女にする。……妻として、――傍にいてほしい」



嗚呼、涙が止まらない。


嬉しくて……嬉しくて、どんどん溢れてくる。嗚咽もひどくて、声が出せなくて……。
言葉に出来ない代わりにボスに目一杯抱き着けば、そっと――肩に手が置かれる。



「これは……肯定として受けとっていいんだよな?」



何度も何度も頷けば肩に乗ってた手がスルリと背中に回って、ボスも優しく抱きしめ返してくれる。


こんな光景をロマーリオさん含め、ファミリーの人達が、こっそり見ていたのに私が気づくのは後少し――――。






〜End〜


「やーっと、くっついたな。お二人さん」

「えぇっ!なんで皆居るんですか!?」

「なんだ、やっぱりお前ら見てたのか」

「ボス、気づいてたんですか!?」

「水和。これからはディーノって呼べよ?」

「話しを聞いて下さいっ」






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