ちょっくら世界を救ってきます。

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――――ねぇ、あんたって生きてて楽しい?




2,説明ですよ!




「あ、ご、ごめんなさい。……ど、どういう事だか理解ができなくて……すいません、ごめんなさい」


ルイ、と名乗った女性に頭を下げる。
本当に何を言ってるのか理解できないのだ。


「大丈夫よ。最初はみんなそういう反応するもの。じゃあ何から説明すればいいかしら……」


うーん、と顎に手をやり考える仕草をする。
その1つ1つがさまになっていて思わず見惚れてしまう。


「じゃあとりあえず天界の紹介から。天界って言うのはね、この世界とは別の次元に存在してて……」


え、ちょっと待ってちょっと待って。
……なんかいきなりとんでもない事言い出されたよ。
私はまだ長々と話しているルイさんに目を向ける。


「……天国?」

「違うわ、天界よ。天国なんて実在しないもの」

「……すいません」

「どうしてすぐ謝るの。別にいいわよ。それでね、元々天界は1つの国だったんだけど、今は違う。さっきの人覚えてるわね?」

「あ、はい」

「あれはアレモネと言って、本当は私たちと同じ天界に住んでいたの。けど、いろんな理由から天界から追い出されてしまった」

「え、どうして、ですか」

「…………さぁ。私には分からないわ。」


風が頬を撫でる。心地よい風だ。
ルイさんの目が少し曇った気がするが、私は勘違いだと思う事にした。


「その天界から追い出された落ちこぼれが寄り集まってできた国、その国の住人がアレモネよ」

「国……え、と……名前は……」

「名前なんて無いわ。つける価値すらないもの。あんな人たちはアレモネで充分よ」

「え、」


それってどうなんだろう。落ちこぼれだとか、穢らわしきモノとか、そう言うのって……なんだか……。


「その落ちこぼれの中から選ばれた王が天界に復讐しようと考えた。なんて逆恨みかしら。けど戦闘でも、頭でも優秀な天界にかなうはずがない。だけどたった1つかなえる方法を見つけたの」

「方法?」

「この世界……人間界に降り立って感情を喰らうこと」

「え、」

「案外感情って言うのはとんでもないエネルギーを秘めているのよ。それを喰らって力をためる。そうすればなんとか天界にかなうくらいの力になるわ」


いつの間にか風は止み、辺りは異様な静寂に包まれていた。
ルイさんは目を細めてさらに続ける。


「人間と言うものは特に感情の宝庫だから。そして弱い。格好の餌食だわ」






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