She doesn't like baseball.

□第2話
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俺の机の上に小さな紙が飛んできた。

(え?何だコレ。)

俺宛...でいいのかな?
そう思ってその紙を開いてみる。


"昨日は野球嫌いって言ってゴメン。
神崎"


と、記されていた。

(は?)

えぇーと...何だ?どういう意味だよコレ。

チラッと神崎のほうを見てみる。...けど、真面目に授業受けてる。
何だろ...コレ。

何で謝る?野球嫌いって言ったのは嘘なのか?

?? 俺の頭にはクエスチョンマークが広がる。
と...とりあえず、授業終わったら聞いてみよう。
そう思い、考えるのはやめた。


「はい。今日の授業はここまで。」

「起立」

「礼」

「「ありがとうございましたー」」


「神崎!!」

俺は授業が終わってすぐ神崎を呼んだ。

「...何?」

「それはこっちが言いてーよ。コレ...何?」

俺はさっき神崎からもらったであろう紙を見せる。

「だから、ゴメンって。」

「なに...?じゃあお前、野球嫌いじゃないってこと?」

「...嫌いだけど。」

「...は!?」

結局嫌いなのかよ。じゃあ何で謝ったんだよ。

俺の考えたことを見透かしたかのように神崎はこう答えた。

「今野球やっている人に言ったのが、悪かったなって思っただけ。」

何その物言い。
ムカムカする俺。

「つか、何で野球嫌いなの?」

と、つい聞いてしまった。

ドキッ

「...それは...」

神崎の表情がおかしくなった。

「言えない。」

そう言われた。

「?」

...何だろ...神崎は、野球...好きで嫌いになったわけじゃない?いや、そりゃ誰だって好きで嫌いになるものはないだろうけど...
なんか、ますます気になってきた。

でも、もしかしたら神崎のことを『最悪だ』と思うのは、考え直したほうがいいのかもしれない。

...そう思った。
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