MINHO

□Border Line
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「帰るんですか?」

周囲の反応なんてお構い無しに俺の服の裾を引っ張ってくる。
俺の後をくっついてた子供の時から、変わらない仕草に頬が自然に緩んでしまう。

「うん。帰るよ。」

「じゃあ、一緒に帰りましょう。」

「あの子たちはいいのか?」

帰る。という言葉にどよめきが巻き起こってた。
きやぁ〜と悲鳴に似た声を上げる子や、俺に『連れて帰らないで。』と目で訴えてくれ子も居る。
俺が連れて帰る訳じゃないんだけど・・・。

「ええ。」

当のチャンミンは、俺の腕を引っ張り歩きだした。

女の子達に囲まれるのも大変なんだなぁ。
もてる男も大変だなぁ。
他の男が聞けば、やっかみ買うだろうけど。

チャンミンの背中を見て思ってしまった。

「すぐに彼女出来そうだなぁ。兄ちゃん羨ましいぞぉ。」

ぼそっと呟いた言葉に反応し、くるっと俺の方に向くと

「兄さんだけで良いんです。」


「あははっ。ありがとう。まだまだ甘えただなぁ。兄ちゃんも好きだぞ。」

日常的な会話だから、気にも止めない。
ただ、ちょっとこの歳で過剰なブラコン気味なんだろうか?とたまに思ってしまう。
だけど、こんな可愛い可愛い弟から好きって言われると気持ち良い。

「兄さん。これから、分からない事とか色々教えて下さい。」


「おおっ。いいぞ。」

そうだよな。
新入生だもんな。
やっぱり、不慣れの事やもあると思うしな。


「ありがとうございます。」



ケラケラ笑う俺は、チャンミンが俺を見つめ、にやっと笑ってる事に気付くはず無く・・・。


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