MINHO

□Border Line
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「お前の弟、すっげぇのなぁ。」

「・・・。みたいだな。」


ふぅ。と溜め息をつきながら、窓越しから、中庭を見た。

その目線の先には女の子達(・・・ではなくて、)が群がる中心には男が1人。
男からすれば凄く羨ましい光景だけど、当人は、女の子達を相変わらずのキツい言葉と冷たい態度で一徹していた。

「選びたい放題なのに勿体ない。」

「そうだな・・・。」


隣でぼそっとこぼす友達に頷いた。






まだ、季節は早春の3月で肌寒い。
この4月に新入生達の為の説明会が今日行われた。
新入生にしたら、教科書等の準備やら、校内説明でドキドキワクワクしてるだろう。
実際俺も2年前はそうだった。

男子上級生は、クラブ勧誘と可愛い子探し。
女子上級生からは可愛い年下の子を探すお決まりの日になっている。

俺はというと、今日の為にくじに負け準備に強制参加させられた1人。


その中でいち早く上級生や女子生徒に目を付けられたのは他でもない。
俺の弟、チャンミンのようだ。
ここ最近、背が伸び(俺を追い抜いてしまった。)子供から青年になりつつあった。
元々、綺麗な瞳に、小顔で手足長かったのに、成長が寄り際立たせた。


機嫌の悪い弟を横目でちらりと見ながら中庭を通り過ぎようとした。
何となく、他人の振りをした方がいいかなぁと思ったので。




・・・のに。


「兄さんっ。」



弟が笑顔で俺の元にやってきた。女の子達は俺が兄というのを知り、ビックリしている様子。

失礼だなぁ。
こういう反応が嫌で通り過ぎようとしたのに。
ちゃんと、血繋がってるんだけど。
俺もチャンミンの様にもてる訳じゃ無いけど、それなりの外見だと思うんだけど。
彼女は居てないけど・・・。
今年のバレンタインチョコだって3つ貰ったし。
・・・って、弟と張り合ったってしょうがない。
なんにせよ、弟が人気なのは嬉しいし。



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