MINHO
□Incantation
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手に取ると、携帯電話より重さを感じたその物は携帯電話なんかじゃなく、所謂、ボイスレコーダーと言われる簡易録音機だった。
大きさや重さ、形を見る限り、簡易ボイスレコーダーより良い物だと思う。
電源が入っているのか、小さなボタンが青色ランプに点滅している。
どうして、チャンミンがこんなものを持っているのだろう。
仕事で使ったのなぁ。
・・・。
・・・・・・・。
何を録音してるんだろう・・・。
聞いてみたい!!。
人の物を勝手に触るなんてダメだ。って事は分かってるけど、頭にちらっとよぎってしまった。
そう一度思ってしまうと、凄く気になって気になってうずうずしてしまう。
−罪悪感と好奇心−
ちらりとドアの方を見た。
確か、リビングにはユチョンとジュンスがゲームに夢中だった。
ジェジュンは飲みに行ってるし、チャンミンはもう出て行っただろうし。
当然だけど、誰も入ってくる気配は無かった。
ごめん!チャンミン。
聞いちゃえっ!
少し震える指でぽちっと再生ボタンを押した。
ザーーという録音独特の砂嵐のような音の後に聞こえてきたのは、
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グチュ!!と淫猥な音と共に、
「ひゃっ!!!」
「いや・・・いやだよぉ〜〜〜」
「何が?ココすっごい喜んでるじゃん。ジュンス可愛いココがさ・・・。そしてココも・・・」
「ひゃやぁん!!」
「ひゃっ!ひゃっ!」
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全身が熱くなるのを感じ、顔が赤くなって慌てて、停止ボタンを押した。
ボタンを押したまま、その場で放心状態になってしまった。
疎い俺でも分かる。
このやり取りは、たぶん、濡れ場の最中の声。
ただ、男女のやり取りじゃなかった。
紛れも無く、ユチョンとジュンスの声だった。
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