MINHO

□Moving The World
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−Prologue−

−Yuchun Side−

例えこの世に終わりが来ても譲れないものがある。
何があってもあいつだけは解放してやらない。
俺の腕の中から飛び立たないように羽を毟り取るよ。
何度でも、そう何度でも。


キッチンの前を通り、ユノの寝室に向かおうとした時


「ヒョン・・・。」


呼び止められ振り返ると・・・端正な顔立ちでジッと俺を見ている。
見ている・・・。
違うか・・・睨んでる・・・と言ったほうが正しいな。


『チャンミンが・・・動き出すかもな?』と言ったジェジュン。

ジェジュンの思惑かそれともただの予想か曖昧だけど・・・その通りになってるよ。


「どうした?」

「ユノヒョンのとこに何か用事ですか?」

にっこり口を横に広げて笑うけど・・・目が笑ってない。

「ああ。渡したいものがあって。」

「僕今からユノヒョンのとこに行くので一緒に持って行きますよ。」

「いや・・・でも。」

どうして断ろうかと考えてた時、近づき俺の耳元で囁くニヤリと笑うチャンミンの顔を見た。

「ジュンスヒョンも・・・いい声で啼くんですね。」



・・・ったく・・・まぁ・・・手間が省けるし、ユノも大人しくなるだろうし・・・。

「ユノも・・・いい声で啼くんじゃねぇの?」

「ええ。たぶん・・・。それを確かめに。」


ユノ・・・ご愁傷様。

「そ。じゃあ、これ渡しといて。」

ポケットに手を突っ込み、ボイスレコーダーを手渡した。
チャンミンは受け取りながらボイスレコーダーを見て



「ジュンスヒョンの声聞かせていいんですか?独占欲の塊みたいなヒョンなのに珍しい。」


本当に珍しいのか、俺とボイスレコーダーを交互に見る。

「まぁな・・・引きずり出すためにはな。」

「そうですか・・・たぶん引きずり出す前に・・・終わりますよ。」

にっこりと微笑む。


「・・・そうかもな。」

・・・お前が動くんだろ?

溜息を付いて手をヒラヒラと振りチャンミンに背中を向け、ソファーに腰を下ろす。


ここで暫し、休憩がてらチャンミンがユノをモノにする様を見よう。

俺の可愛いジュンスのいい声を聞いたんだから当然だろ?
微かに漏れて聞こえるジュンスの可愛い啼き声をBGMに・・・。


そんな俺を見て検討付いたのかニヤリとチャンミンが微笑する。

「相変わらず、悪趣味ですねぇ〜。」


お前もな・・・。

一時間・・・いや二時間ぐらいか・・・。
その頃にはまたきっと世界は変わる・・・。
俺たちの関係も・・・。


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