わんこな恋人

□03
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志良はよく走って抱き着いてきたりする。

地味に身長差がある分、勢い良く抱き着かれると、正直怖い。

あれは軽いタックルと言っても過言ではないと思う。


それを宮に言うと、適当な相づちを返されながらも、


「待てでも教えれば?そしたら抱き着かれる前に止められるし。」


そう言われた。


「あー、待てかー…。教えてみようか…。」

「尚も結構わんこのこと犬扱いしてるよな。」

「みんなが俺の愛犬とかわんことか言うからだ。」


志良にいつの間にかわんこというあだ名をつけていた宮。

今ではうちのクラスで完全に定着してる。


しばらく宮と話してると、志良が教室のドアからひょっこり顔を出した。


「尚先輩っ。」

「志良。…ま、待て!」


窓際の俺の席へ走ってきて、今にも抱き着きそうな勢いに焦りながら言う。

思わず犬にするみたいに、片手を突き出していた。


ピタリと動きを静止させた志良はえ、え、と呟いている。


「せ、先輩?どうしたの?俺、なんかしましたか?」

「あー、いや…、」


不安そうな顔に思わず苦笑いした。

待てを教えようとしてる、なんて言えない。


「…おいで、志良。」


椅子から立ち上がり、軽く両手を広げる。

静止していた志良は、今度は嬉しそうな顔をして、ぎゅーっと抱き着いてきた。

頭に頬ずりをする様子は、まさによくなついてくれてる大型犬で。


「うん、待てできてる。」


宮の言葉に軽く笑った。




待てを教えたい




「次はお手とおかわりだな、尚。」

「え?宮もしかしておもしろがってる?」

「そんなわけ…、ぶふっ。」

「おいぃっ!絶対教えねーからぁ!」




――――――――――――
おかしい…。
志良の出番が少ない←
そして尚の話し方定まらなすぎる…!

130313

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