わんこな恋人
□02
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放課後、ほとんどの生徒が部活に行くか、帰宅してるかで、静かな廊下。
幼馴染みで同じクラスの宮と帰ろうとしていると、俺達以外の足音が混じった。
「志良だ。」
呟いて少し経ってから、後ろから聞き慣れた声がした。
「あー、尚先輩だ!尚せんぱーい!」
振り向くと志良が大きく手を振りながらこっちに向かって小走りしていた。
宮が勢い良く俺を見た。
「…今足音しかしてねーよな?」
「うん、そうだな。」
「足音だけで分かんの?しかもあんな小さい音で。」
「普通分かるだろ。」
「普通分かんねーよ!」
「そうかなー。」
「…尚は飼い主の鏡だよ。」
またそうかなー、と返事をして、宮から志良に顔を向ける。
目が合って俺が笑うと、志良はにっこり笑いながら、尚先輩!と抱き着いてきた。
飼い主のずれた普通
「俺も尚先輩の足音分かりますよ。」
「ほら、普通分かるんだよ。」
「うん。お前らの普通は普通じゃないことがよく分かった。」
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特徴的な歩き方の人っていますよね。
それにしても私の中の彼らはしゃべり方が定まらない←
130311