一話物語

□卒業まであと少し
1ページ/1ページ




いつの間にか、追いかけるのが日課になってた。


「先生ー!」


呼べば必ず振り向いてくれる。

それだけのことが嬉しくて。


「飽きないねぇ。」

「あ、先生飽きちゃいました?次から違う声のかけ方した方がいい?」

「そうゆうことじゃないんだけど。あと敬語。」

「敬語めんどくさい…。じゃあ先生、また授業で!」


呆れたようにはいはい、と返事を返す先生に背中を向ける。


「秋葉。」

「っ、はい!」


突然名前を呼ばれて歩いてた足を止め、体ごと振り返る。

先生は優しい笑顔をしていた。


「もうすぐ卒業だね。」


卒業までお前の気持ちが変わらなくて、卒業までに俺の気持ちが変わったら、その時は…。


俺が告白した時、先生はそう返事をしてくれた。

俺の気持ちは変わらない。

きっと、卒業してからも。


「俺の気持ちは変わりません。だから、もっと頑張ります。」

「そっか。…卒業式が終わったら、んー…、屋上で会おっか。」

「はい。」


卒業したら毎日先生に会えるわけじゃないけど、それでもいい。

このままさよならだけは絶対にしたくないんだ。




卒業まであと少し




――――――――――――
もうすぐ卒業シーズンですね、ってことで。
先生と生徒っていいよね。

130305

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ