一話物語
□卒業まであと少し
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いつの間にか、追いかけるのが日課になってた。
「先生ー!」
呼べば必ず振り向いてくれる。
それだけのことが嬉しくて。
「飽きないねぇ。」
「あ、先生飽きちゃいました?次から違う声のかけ方した方がいい?」
「そうゆうことじゃないんだけど。あと敬語。」
「敬語めんどくさい…。じゃあ先生、また授業で!」
呆れたようにはいはい、と返事を返す先生に背中を向ける。
「秋葉。」
「っ、はい!」
突然名前を呼ばれて歩いてた足を止め、体ごと振り返る。
先生は優しい笑顔をしていた。
「もうすぐ卒業だね。」
卒業までお前の気持ちが変わらなくて、卒業までに俺の気持ちが変わったら、その時は…。
俺が告白した時、先生はそう返事をしてくれた。
俺の気持ちは変わらない。
きっと、卒業してからも。
「俺の気持ちは変わりません。だから、もっと頑張ります。」
「そっか。…卒業式が終わったら、んー…、屋上で会おっか。」
「はい。」
卒業したら毎日先生に会えるわけじゃないけど、それでもいい。
このままさよならだけは絶対にしたくないんだ。
卒業まであと少し
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もうすぐ卒業シーズンですね、ってことで。
先生と生徒っていいよね。
130305