ラビリナ
□握った手はこんなにも
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「ラビ、聞いてる?」
「へ?」
「ちゃんと聞いてよね?」
「う・・・」
「ラビだって困るでしょ?これからここに帰るわけだし」
「もういいさ」
「よくない!!」
「オレがいいって言ってるからいいんさ」
「でもッ」
「あんた、おせっかいなんですけど」
この瞬間オレはブックマンとして上手く接しられたかどうかわからない
だけど君は
「だめ!!ほら行こう」
何事もなかったかのように
「先行くわよ?」
接してくれたんだ
「待って」
そう言って掴んだ手は
こんなにもあたたかかったんだ
だけど 同時に
哀しくなった―
2007/10/8 満浦 チカ