明けない裏庭
□悪意なる物語
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「殺める」
私は今、
この世界にいて尚且つ、
居ないのです。
自らの内から、
沸き上がる言葉を、
書き留める事に夢中で、
現実界を否定しているのです。
誰か、
こんな私を殺して下さい。
暴走する前にどうか、
殺して下さい。
このまま、
私を野放しにして置いたら、
きっと、
常人を殺して仕舞います。
そうなる前に、
最善の選択をして。
もうすぐ私は、
常人の枠から飛び出して、
返り血を浴びながら、
愉しそうに微笑み、
人を殺めるでしょう。
命乞いをする者達を、
笑顔で殺すでしょう…。
だから、
まだ理性が働いている内に
私を殺めて下さい。
これは、
常人として、
私が願う最後の望みです。
殺す位なら、
殺された方が良い。
あなたには、
ｺｳﾑ
迷惑を被りますが、
最後の望みくらい、
叶えてくれても良いでしょう？
†