強欲なる食堂
□口に出すことは出来ない。
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「口に出すことは出来ない。」
体が、重く怠い。
会いたいなんて、もう二度と言わないから今だけ言わせて。
伝えたいことがあるんだ。
告げなくたって、結果なんか目に見えている。
玉砕。
僕のこの想いを受け止められる奴なんか、そうそういない。
だから、もう今日で終わらせるから君への想い。
声にならない声で、奏でるから僕の独白を聴いてくれ。
僕の心をこんなに揺さぶるのは、君しかいない。
でも、君のいない世界を覚束ない足取りで、これから僕は歩む。
退屈で退屈でしかたがない。
だけれど、それは見ないようにするよ。
君の心は、誰かを思っているから僕はそこにはいない。
だから、この気持ちを僕が口に出す時は来ない。
もし、その時が来るとしたら正気の沙汰じゃない。
それは、きっと僕の自制心が壊れた時。
心が崩れたら、泣いて良い?
どうか、疎ましいと思わないで。
さようなら。
恋した人よ。
†