強欲なる食堂

□手を伸ばす
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「手を伸ばす。」



顔は笑っていても
心は凍えたまま。

「誰か溶かしてよ。」

誰かに手を伸ばし、
自分勝手に願う。

勝手に自分で凍らせておいて、
結局、
自分で溶かそうとしない俺。

否、
自ら溶かせなく成る程にまで、
凍てつかせてしまったんだ。

馬鹿みたいだ。

滑稽だと、我ながら思う。

自己嫌悪に苛まれつつ、
それでも俺は誰かが
この手を取るのを願ってる。

誰か俺にもう一度、
人間の温かさを教えて?




 

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