ゆめめめーん

□君は僕のもの。
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チカチカと色鮮やかなネオンが眩しく光って、この街独特の"大人の街"な雰囲気が漂う中、僕は先ほど飲み屋で捕まえた女二人を小脇に引き連れて、今夜こいつらと遊ぶホテルを探していた。

「お兄さんどーお、遊んで行かなーい?」
「やすくしとくよ〜」

妙な猫なで声が飛び交う中、僕は両腕に捕まる女にニコニコと取り繕った笑顔を見せて口を開く。

「ねぇ君たち。この辺でいいホテル知らない?」
「ホテルー?あ、もしかしてエンヴィーさん、今日私達とそういうことする気ー?」
「やだぁえっち〜」

スリスリと額を僕の腕にすりよせてくる女共に若干イライラとしながら、(さっさと質問に答えろよ)不意に辺りを見渡すと、今商売が終わったのだろう中年の男と、ニコニコと笑顔で男を見送る女が目に入った。人ごみに紛れて男が見えなくなるまで手を振り、頭を下げるその姿になんとなく目を奪われていると、ふとその女と目が合った。

「おにーさん、一緒に楽しいことする?」

更に目を細めてニコニコとした表情を崩さずに、手を振りながら僕に口パクでそう伝えてきた。

…たまにはこういうのもいっか。

未だ両腕にすり寄ってくる女共を払いのけ、僕は引き寄せられるように手を振る彼女の方へと足を進めた。後ろで呆然としている女共の気配がしたが、無視をした。


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「部屋で待ってて。ちょっと準備してくるね」

ニコニコとした笑顔を絶やさずそう言った彼女は、名無しさんちゃんと言うらしい。…普通こういう店は、女と一緒に部屋に行くか、部屋に女が待機しとくもんだと思っていたが、まあこの店はこういう形式なんだろう。

部屋に入るとシャワールームと大きなベッドしかなかった。僕はシャワーを一緒に浴びるというのがあまり好きではないので先に浴びて名無しさんちゃんを待つことにした。腰にタオルだけ巻き、ベッドに腰掛ける。するとすぐにノックの音が聞こえた。

「失礼します」

相変わらずニコニコとした笑顔を絶やさずに入ってきたのは、白いベビードールを着た名無しさんちゃんだった。

「おにーさんシャワー浴びるの早いね」

そう言って、躊躇なくベッドに座っていた僕の膝に対面の体制で座った。ご丁寧に首もとにまで腕を回してくれる。少しだけ上になった彼女の目線は、僕の双眸を優しく捉えていた。反射的に彼女の背にも手を回すと、嬉しそうに目を細めた。

「まあ僕男だし。女の子よりは早いよ」
「素直に楽しみだったって言えばいいのに」
「生憎そんなに飢えてるわけじゃないし」
「そうなの?」

残念だなーと言いながら、ゆっくりと僕の唇に自分のそれを近づけ始める。抵抗する理由もない。僕はそれを受け入れ、自ら舌を絡めようと口を開いた。

「…ふぁ…っ、ん」
「ん…っふ、」

同じタイミングで彼女から出された舌を、唾液と共に上手に汲み取りながら自分のそれへと絡み取る。上顎を舌でなぞり、口内全体を舐め回すように舌を動かすと、彼女も負けじと僕の舌をうまく絡め、フェラのように僕の舌をしゃぶりはじめた。くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえだし、流石にお互いの酸素が持たないと一旦口を離した。

「はぁ…はっ…、結構やるじゃん」
「仕事だもん。はい、もっかいベロ出して?」

言われるがままに舌を出すと、再び僕の舌を赤ん坊のように吸い出した。時折舌を使い根元から先までツツ…と舐め上げられる。ゾクゾクとするその感覚に、僕の下半身は脈打ちながら熱を持って行くのがはっきりわかった。

「おにーさん、なんか座り辛くなってきた」

クスクスと笑いながら、彼女はタオルで隠された僕の自身をピンと指で優しく弾いた。

「名無しさんちゃんみたいな可愛い子とキスすれば、誰でもこうなるでしょ」
「おにーさん上手ね」

再び口元を抑えて笑い出す彼女の乳首も、ベビードールからうっすらと盛り上がっているのが見えた。同じように優しく指で弾くと、「ひ、ぁん」と甘い声が漏れた。

「やらしー触り方して」
「君のやらしい反応には負けるよ」

指で転がすように突起で遊び、時折キュッと指先で摘むと、その行為に返事をするように可愛らしい声が聞こえた。

「ん、も…う、おにーさんにお返し」

楽しそうに微笑んで、彼女は先ほど弾いた僕の自身に再び手をやった。タオル越しに優しく先端を掴み、親指で筋に沿って前後に扱く。

「はぁ…ん、…っ」
「あら、可愛い声だすのね」
「…、名無しさんちゃんこそ」

ニヤリと上がっている口角を、今度は荒々しく塞いだ。空いている手で彼女の後頭部をつかみ、逃げ場をなくす。それでも、嫌がらずにきちんと舌を出して応えてくれる彼女に、ふつふつと独占欲が湧く。…今の時間だけは、僕だけのもの。

「ふぁ、んぁっ…ん」
「…は、…ぁあ、」

何度も唇を重ね直し、唾液を交換する。その間にも、僕は彼女の胸に愛撫を忘れず、彼女も僕の自身に手を伸ばしてタオルの下からぎゅうっとそれを握った。

「ぁ、ふ…はぁっ…」

再び僕の口から大きな息がもれると、彼女が満足そうに笑ったのがわかる。なんとなく悔しくて、僕もベビードールをめくり上げ、直接柔らかい彼女の乳房を揉んだ。

「ひゃぁっ、ん、胸、ぁ、よわ、いの…っ」

ふに、と僕の身体にはない部位の感覚。幾度となく味わってきたこの感覚だが、彼女の…名無しさんちゃんの胸をこうして揉みしだくのは、酷く興奮してしまう。彼女とキスをしながら自身を弄られ、胸を揉んでいるというだけで、僕のそれは既に限界だという風にぱんぱんになり、先端からは先走り汁が溢れていた。一旦唇を離し、お互い息を整えながら顔を上げると、彼女は、僕の自身を弄っていた手を離し、親指と人差し指に付いた液体を確かめるようにわざとらしく僕の目の前でこすった。

「おにーさんの、先端ぬれぬれ」
「…君があんまり可愛いからね、僕今珍しく余裕がないんだ」
「ふふっ、じゃあ一回抜こっか」

僕の膝の上に座っていた彼女は、僕の胸板に手を添えゆっくりと押し倒した。腰元のタオルも見らずにはぎ取ると、再び自身を手に取り、ゆっくりと上下にこすり始めた。

「あ、はぁっ…はぁっ」
「…こっちも触ってほしいの?」

クスクスと笑いながら、彼女は僕の乳首をぺろっと舐めた。ビビっと電気が走るような感覚が走り、思わず肩が跳ねる。
反応を楽しむように彼女はそのまま乳首を口に含み、舌で遊び始めた。時折ちゅうっと吸い上げ、僕の声が漏れるのを楽しむ。もちろん、自身への刺激は続けたままに。

「…名無しさんちゃん、出そうなんだけど」
「ん?いいよおにーさん、おててに出して」

胸板から顔を上げ、僕の顔をみてそういうと、自身を扱くスピードを速めた。既に先走り汁でぐちゅぐちゅで、擦れていたいとか、そんな心配をする必要がなかった。

「はぁっ、ぁ、は、っぁ、」

精子が上る感覚が分かる。何かにすがりたくて、服の隙間からちらりと見えた乳房に手を伸ばす。

「ゃ、あっ。おにーさん、急にはだめ、だって…っ」
「…名無しさんちゃんが可愛いすぎてついね」
「あん、ぁ…、可愛くなんか、」
「…ぁ、ごめん、一回出す」



どくん。どくん。どくん。



自身が脈打つのが、自分でもわかった。
たっぷりの精子が彼女の手にかかり、なんともいえない生臭いにおいが鼻をかすめた。満足そうに顔を上げた彼女は、これ見よがしに手についた精子をペロリと舐めとった。

「…いっぱい出たね」
「僕もびっくりしてるよ」
「ふふ、おにーさん可愛かった」
「名無しさんちゃんの喘ぎ声が可愛かったからいっちゃったんだ」

よしよしと頭を撫でてそう言うと、彼女は照れ臭そうに笑った。

「ありがと」


…気まぐれに放ったであろうその言葉は、彼女の笑顔と共に僕の脳裏に焼き付き、先ほど射精したばかりの自身に再び熱を持たせた。













君は僕のもの。
(全てが欲しい、そう思った)




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