ゆめめめーん

□お手伝い
1ページ/1ページ



「名無しさん、朝だぞ」


控えめなノック音と共に、ジューダスが部屋に入ってきた。着慣れないエプロンを汚している様子から、不慣れな料理でも行ったのだろう。声をかけても反応しない名無しさんに近づいて、今度は身体を揺らして起こそうと腕を伸ばした。


「起きろ、名無しさん」
「ん…?おはよ、ジューダスくん」
「おはよう。朝ご飯が出来た、僕がつくったんだ」
「ほんと?じゃあすぐ行くから待ってて」


名無しさんがにっこりとジューダスに笑いかけると、彼は照れたように顔を背けた。
小さく「…下で待っている」と呟くと、ばたばたと階段を降りていった。



「わあ、美味しそうね」
「…頑張ったんだ」
「じゃあいただきまーす」


元の器用さから、多少焦げてはいるものの綺麗な形に出来ていたハムエッグを口に頬張った。名無しさん好みに少し甘く味をつけてあり、バターの香りがほんのり広がってとても美味しい。素直に感想を伝えると、嬉しそうにそうか。と頷いた。


チラリとそばにあったゴミ箱を覗いてみる。キッチンペーパーで包んであるが、隙間から焦げのような部分が見えた。下の方まで同じようなゴミばかりが重なっている。名無しさんはジューダスにバレないように、小さく微笑んだ。




「ごちそうさま」
「…ごちそうさま」


「名無しさん、コーヒーでいいか?」
「うん?あー、ありがと。ブラックでいいよ」


ジューダスはいそいそと食器を片付けながら、そのままキッチンへと移動する。時々ガシャンと派手な音を立てるが、名無しさんは気づかないフリをした。



食後のコーヒーをゆっくりと味わいながら名無しさんはソファーに座っていた。
その隣にはジューダスもいたが、彼はあまりカップには手を付けず、もぞもぞと落ち着かない。そんな様子を見ていた名無しさんはクスクスと笑いながらカップを置いた。そして彼に向き直ると、両手を頬にそえて口を開く。


「ジューダスくん。お手伝いどうだった?」
「…、大変だった」


苦い顔をしながら、恥ずかしそうに俯く彼に再びクスクスと笑いかける。
もう一度名前を呼ぶと、顔を上げ、若干潤んだ瞳で名無しさんを見つめ返した。


「…僕、頑張った」
「うん」
「朝早く起きて、朝食を作ったんだ」
「うん」
「…何回も失敗したけど、名無しさん、美味しいって言ってくれて」
「うん」
「片付けも、頑張って、」
「うん」


小さな消え入りそうな声で話すジューダスの話を、名無しさんは優しく頭を撫でながら聞いていた。急かすことなく、ゆっくりと。


「頑張ったね。えらいえらい」


名無しさんはニコニコと微笑み、彼の身体を抱き寄せた。ジューダスは抵抗することなく身をゆだね、彼女の背中に手を回す。安心したようにふくよかな胸に顔をうずめ、ぎゅうっと回した手で服にシワを寄せた。


「ご褒美ほしい?」
「…膝枕」
「ふふっ。可愛いー」
「…うるさいっ」


彼をからかって、名無しさんは少し距離を取り自分の膝を叩く。ジューダスは戸惑いながらもぎこちなくそこに自分の頭を乗せた。柔らかく滑らかな太ももと、甘い柔軟剤の香りで既に頭は回らない。目を閉じても、まぶたのすぐ向こうにある彼女の下腹部ばかりを気にしてしまいなかなか眠気もこなかった。


「やだ、ジューダスくん。何考えてるの」


クスクス笑われ不思議に思って辺りを見回すと、自分の股間が何故か存在を主張していた。慌てて起き上がり必死に抑えようとする。がしかし、それは名無しさんの手によって制止された。


「、名無しさん?なにを…」
「してあげるよ、ほら力抜いて」
「ばかも、のっ、ぅあ…!」


布越しに手で包まれ、慣れた手つきで先端を親指と人差し指でいじり始めた。突然の衝撃に、再び名無しさんの身体に寄りかかる体勢になる。しかし彼女は気にせずに、ジューダスの性器を弄ることに専念した。


「ぁ、う、だめっだ、ふぅ、あっ」


名無しさんに触られている気持ちよさと布越しのもどかしさで頭がおかしくなりそうだった。無意識に自分の乳首に手を添え、指で乳輪をなぞり突起を優しくつまむ。ビリリと電気のような刺激が流れ、足の先までピンと伸びる。その間も、名無しさんは器用に彼の自身を扱き限界に近づけていった。


「ジューダスくん、ズボン越しでもわかるくらいびしょびしょだね。このまま出ちゃうんじゃない?」
「はっ、や、ちがっ、でなっ!あっぁあ、」
「自分でおっぱい触っちゃう変態さんだものね。直接触んなくてもイけちゃうわね」
「あ、名無しさん、む、りっ、も。むり!ふぁっ、ちゅ、してぇっ」


女のような喘ぎ声を出し名無しさんにそう悲願する。彼女はジューダスの顎をひょいと上げると、深い角度から唇を重ねた。歯列をなぞって舌を舐り、唾液を送り込む。ぴちゃぴちゃと、わざと卑猥な音を立てながら口づけを繰り返す。


「あっい、く!は、ぁっはぁっ出る、ぁあふぁああっ!」


ジューダスの身体が一度ビクンと痙攣する。彼女に寄りかかった身体からはハァハァと荒い息が聞こえた。芯を失った下半身を覆う布は、見るからに湿っており微かに磯の香りが漂う。名無しさんは満足そうに彼の頭を撫でると、耳元でそっと口を開いた。


「…お手伝い、またよろしくね」


----

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ