ゆめめめーん
□why
1ページ/1ページ
神の眼を取り戻す旅の途中。立ち寄った宿で夜ご飯を食べているときのことだった。僕の隣に座っていた名無しさんが突然口を開いた。
「ねぇ、リオン。質問していい?」
「…なんだ?」
「セックスって、何のためにするの?」
ブッ
スタンとフィリアはわたわたと慌てふためき、ルーティは爆笑し、マリーは何のことか分からないのか気にせずに黙々とご飯を食べ続けた。肝心の僕はというと、静かにナイフとフォークを置いて名無しさんの頭を叩いた。何も入っていないだろう頭はスコーン!と軽い音が響き、叩かれた本人は面白かったのか「もう一回!」と催促する。本物の馬鹿なんだな、こいつは。
「ねぇちょっと名無しさん!このクソガキに毎晩ナニされてるの!?」
「えっとね、はだ」
「説明しなくていい」
割と大きめな声で名無しさんのセリフを遮ったが、それだけでルーティは彼女の言わんとすることが分かったらしい。ニヤニヤと僕と名無しさんを見比べて、「ふぅーん」と楽しそうに口を釣り上げた。我が姉ながら殺したくなるな。
「…名無しさん、ちょっと来い」
「え、うん?」
きょとんとしながらも、名無しさんは素直に僕についてきた。早足で食堂を立ち去ろうとすると、ルーティが口笛を吹いて冷やかしてきた。名無しさんも馬鹿なもんでそれに対して照れくさそうに手を振っている。人気者じゃないんだぞ。
「腰痛めないようにね〜」
「大丈夫だよ!外だとベッドないからいた」
「黙れ馬鹿」
名無しさんのリクエスト通りもう一度頭を叩くと、変わらず軽い音が聞こえる。ついでにルーティの電撃スイッチも入れておいた。一瞬の悲鳴のあと静かになった食堂をあとにして、二階にある僕に割り当てられた部屋に向かった。
部屋に入り備え付けのベッドに潜る名無しさんに思わずため息をつく。
「ああいうことは人の前で聞くもんじゃない」
「なんで?」
「…はぁ」
きっと口で説明して無駄だろうな。
長く連れ添ってきた僕の経験がそう言っていた。
…しかたない。体で分からせるか。
「名無しさん」
「ん?、うわぁっ」
完全に油断していたんだろう。普段は多少なりともされる抵抗が全くされず、簡単に彼女を組み敷くことが出来た。
驚いて身動きが取れない名無しさんの唇を僕のそれでふさぎ、唾液を送り込む。苦しそうな声が漏れるが、気にせずにキスを続けた。
名無しさんの口端から僕の唾液が漏れてきたとき、やっと唇を離してやる。赤い顔で荒く息を吐く彼女を見やると、なんとも楽しげな表情だった。
「リオン、もっかい」
「…あぁしてやる。今度はこっちでな」
大きくなりすぎた自身を取り出すと、名無しさんがうわぁと声を上げる。
「…なんだ」
「そんな反り勃たせなくても」
「生理現象だし、そうさせた原因はお前だ」
「そうなの?あはは、面白い」
ケラケラと笑う名無しさんに呆れつつも、そっと彼女の下着を降ろして秘部に触れる。そこは既にぬるぬると濡れており、指を入れてもスムーズに出し入れされるだけだった。
「キスだけでこんなになるとは…名無しさんも淫乱になったな」
「え?イラン似のバッタ?」
「わかった、喋るな」
この馬鹿に言葉攻めをしても無駄だということを忘れていた。
僕は彼女の股を開かせ脚を上げると、膣液で濡れたそこに自身をあてがった。亀頭をにゅるりと押し込めると、ズブズブと膣に全て飲み込まれていく。ひだが自身に絡みつき、絶妙な締め付けの中ですぐに果ててしまいそうだったがなんとか堪えた。彼女の顔は快楽に浸っており、僕と目が合うとせがむような視線を送る。
「…ねぇリオン。動いて」
「あぁ…」
こういうときだけ艶やかな声で誘う名無しさんは本当にズルい。ゆっくりするはずだったこっちの計画がこのセリフで吹き飛んでしまった。 …まあいいか、彼女が楽しめれば問題ない。
僕は彼女の中で腰を振り始めた。卑猥な水音と、肉同士がぶつかってパンパンと響く音が重なって、より僕の性欲を仰ぐ。
「んあぁ、ねぇ、リオっン」
「っなんだ」
「セックス、するりゆ、あっ、わかった、よっ」
「きもちよくっなるため、だねっ」
そう言って笑った名無しさんはあまりにも可愛くて。普段では考えられないが、思わずその華奢な体を抱きしめた。そのまま唇を重ねながらも腰の動きは止めなかった。彼女は僕の背に手を回して服をぎゅっと握る。同時に喘ぎ声は大きくなり、僕の自身も限界を迎えた。
「リオ、ン!きちゃ、うっあんぁ!またっきちゃう、よお」
「…僕もだ…っ出すぞっ」
彼女の膣内が痙攣すると同時に、僕もそのまま射精した。下半身のどろりとした感触が気持ち悪いが、まだ動く気にはなれない。名無しさんも気を失っているようだし、目が覚めたら片づけるか…。
僕はそのままの体制で、彼女と共に眠りについた。
----
「激しかったわね」「…ルーティ、覗きはいけないぞ」「バレなきゃいいのよ」
「バレてるがな」「「…」」