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□貴女と俺の間には
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身長、俺の方が低い。

階級、俺と同じ。

任務ランク、俺の方が高い。

年齢、俺の方が低い。


…これが、貴女との差。




-貴女の俺の間には-




「カカシ、おはよーっ!」

「…おはようございます」



彼女はやどり。
俺と同じ上忍。
ただ、俺が上忍になる何年も前から上忍をやっている。

つまり、先輩。
先輩なんだけど、ハッキリ言って幼くて、任務だって俺の方が高ランクが回ってくる。

そして、



「もー…カカシ、最近冷たくなったよね。小さい頃はあんなにかわいかったのにぃ!」



…俺の、幼なじみ。



「そんなことないですよ、やどりさん」

「あー!また雲月さんって!呼び捨てだったカカシはどこに行っちゃったのぉ?」

「いやいや…先輩ですから」



やどりさんは、俺のことを仲のいい姉弟くらいにしか考えていない。

ま、それはそれで嬉しいんだけどね、辛いものがあるでしょ、やっぱり。

それに俺は、やどりって呼んでた頃から、ずっと好きだったし。

…本人は気づいていないみたいだけど。

はぁー…、近すぎる距離っていうのも、案外考えものかもね。










ある日、待機所でのこと。

俺が先輩たちに絡まれている時に、やどりさんが入ってきた。



「おはよー…あれ?どしたのカカシ。大人気だね?」

「…(どこがだよ)」



若くして上忍になった俺を、快く思ってない人は多い。
今日も俺をからかってくる先輩。

背が低いとか、まだ子供だろ?とか。
下品なことだって言ってくるし。
…ガキ。

ま、俺はそんなこと、気にしないんだけど。
でもその中には、やどりさんに好意を持っているヤツもいて。



「カカシ、今日ヒマ?」

「?ヒマですけど…」

「じゃあさ、私の家で一緒にご飯食べよう!」

「やどりさ…」

「おいおいやどり、そんなヤツ誘うくらいなら俺と一緒に飯行こうぜ!」



ほら。
ジャマなんだよね、ハッキリ言って。

俺からやどりさんを隠すようにして、俺の前に立つソイツ。

…殺されたいの?



「なぁいいだろ?」

「えっ…でも、私はカカシと…」

「いいじゃんいいじゃん、こんなガキ。背も低いし、絶対俺の方がイイオトコだし!」



…背が低いって、言わないで頂戴。
いつか超すから、俺。

それに悪いけど、俺の方がカッコいいから。

黙っているだけで何も言い返さない俺に気をよくしたみたいで、やどりさんを誘う。

…俺、なめられてるね。

俺だって、黙ってるだけじゃないから。



「な、俺と行こうぜ、やどり?」

「…ちょっと」

「な、なんだよ…」

「…カカシ…」



俺はやどりさんの前に立って、その男の方を向いた。



「やめてください、迷惑がってます」

「ちょ、カカシ…」

「はぁ?…なんだお前、嫉妬?やどりのこと好きなのか?」

「ええ。…好きです」



おもしろがって聞いてきたソイツに、俺は好きです、と答えてやった。



「おいおいおい…どうせ憧れだろ」

「か、カカシ、それは…私がお姉ちゃんみたいな存在だからだよね?」



…まったく。
コイツだけならともかく、やどりさんまで検討違いなことを…。

ま、しょうがないよね。
好きです、なんて言葉、小さい時もめったに言わなかったんだし。

俺はやどりさんの方に向きあった。



「…やどりさんがそう思っていても、俺は好きですよ」

「!!!」

「今も、ずっと前からも…」

「んっ…!」

「…ずっとこうしたいって、思ってましたから」

「か、カカシ…」

「…好きだよ、やどり」

「!!!!」



キスをした後、真っ赤になってしまったやどりさん。
周りも驚いて固まってしまっていた。


俺がこういうことするって、思ってなかったみたいだから。

でも、たまにはいいでしょ。

変な虫もよりつかなくなるだろうし。




今はまだ、貴女に追いつけないでいるけれど…、いつか必ず、追いついてみせるよ。

身長だってこれから高くなるし。
仕事のできる忍にもなって…、誰よりもイイオトコにだって。

…年齢はもうどうしようもないけどさ。

それでも貴女を一生守り切れるくらい、強くなってみせるよ。







-貴女と俺の間には-
 

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